オルソケラトロジー」カテゴリーアーカイブ

0.01%アトロピン点眼

本日は子供の近視進行を抑制する目薬について。
約2年前に有用な近視進行抑制法は?を書きました。その際に低濃度アトロピン点眼は有用(かもしれない)と紹介しましたが、長期データの信憑性が高まりつつあります。
非選択性ムスカリン作用を持つアトロピンは、眼軸長延長の抑制作用や毛様体弛緩作用による調節の遮断などの近視進行を抑制することは古くから知られていました。その一方で、国内でも検査薬として認可されている1%アトロピンでは調節麻痺作用も現れるため学童期への使用には懸念がありました。シンガポールの臨床研究にて0.01%アトロピン点眼の近視進行抑制における有用性が証明され、日本国内でも追試が進行中です。
0.01%アトロピンこれまでの検査用1%アトロピン点眼薬は、顔のほてり・日中の眩しさ・手元のみづらさなどの副作用が強かったのですが、100倍希釈の0.01%ではこれらの症状は認められません。また近視の進行を平均60%軽減させるとのことなので、同効果が約30%のオルソケラトロジーと比較すると、さらに強い近視進行軽減が期待されます。
効果に人種間の相違は考えにくいので、いずれ国内治験でも同様の結果が報告されることでしょう。古くて安価な薬なので、近視進行防止薬として急速に普及することは確実と思われます。

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開院1周年

本日、開院1周年を迎えることができました。 IMG_1168
それにしても、あっという間の1年でした…。

診察券番号:
9月末で診察券番号9359を発行しました。
開院後1年間で1万人近くの新規患者様が来院されたことになります(カルテが1年で9359冊)。
受診されたすべての患者様に感謝感謝です。


手術件数:

昨年11月〜先月9月末までの11ヵ月間に、手術室にて336件の手術を行いました。
網膜光凝固・YAGレーザー・霰粒腫摘出・鼻涙管ブジー・抗VEGF薬注入などの処置や小手術は含まれていません)。

まだまだ至らない点が多々ありますが、より多くの患者様に信頼されるよう、そしてレーシック〜白内障手術〜緑内障手術〜硝子体手術〜斜視手術〜眼瞼下垂手術〜抗VEGF療法〜オルソケラトロジーまで最先端かつ最良のテーラーメイド医療を提供し続けるよう、今後も頑張ります!

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有用な近視進行抑制法は?

昨日はつくば地域の眼科講演会に足を運びました。元同僚達との講演会後の懇親が主目的ではありましたが…
さて、近視の進行は本当に抑制可能なのか?累進屈折多焦点眼鏡、累進多焦点コンタクト、アトロピンなどの調節麻痺薬の点眼などなど…低濃度アトロピン点眼は唯一有用(かもしれない)とのことですが、まだ長期データに乏しく何とも言えません。古くから様々な手法が試されてはいますが、中止すると加速度的に近視が進行する手法もあり、それでは全く意味がありません。
そんななか、オルソケラトロジーは近視進行抑制効果がある!との報告が散見されてきています。5年間オルソケラトロジーを継続すると、5年間眼鏡装用した場合と比較し30%進行が抑制されるとのこと。これをどう捉えるか!例えば眼鏡では3D近視が進行してしまうところが、およそ2Dの進行で抑えられる、という感じです。う〜ん、非常に微妙ですよね……結局は進行する、ということですから。
日中の良好な裸眼視力を目的とすれば、オルソケラトロジーは非常に有用と考えられますが、近視進行抑制法とは捉えない方が無難ですね。
結論として、残念ながら決め手となる非侵襲性近視進行抑制法は存在しません。日常のケアフリーで近視を治す手法はレーシックやICLなどの外科的手術のみ、という状況に変わりはありません。

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強度近視に対する治療選択

前回の続きで、強度近視に対する治療選択の考え方です。
オルソケラトロジーは軽度〜中等度近視に対してまでの適応で、強度近視に対しては適応外ですので、最初から選択肢に入りません。
キーワードは「レーシック・有水晶体眼内レンズ(phakic IOL)・透明水晶体摘出交換(RLE)」です。

基本的にすべて保険外診療となりますが、どれを選択しても間違いではありません。
どれにするかは患者さんの自由ですが、とはいっても患者さんは自分では決められませんよね。
では何で決めるかというと、年齢、近視度数、そして金額、となります。

まず年齢ですが、若い順に、レーシック・phakic IOL・RLE、となります。

逆に度数としては、近視の強い順に、RLE・phakic IOL・レーシック、となります。

金額は、安価な順に、レーシック・RLE・phakic IOL、でしょうか。
以前はレーシックは高額でしたが、今や両眼で10〜20万円です。自由診療の美容形成手術からみると、決して高額ではなく、むしろ非常に安価だと思います。

レーシック適応外の強度近視では、phakic IOLは非常に有用です。
問題は価格ですね。価格を気にしないのであれば、phakic IOLを選択し、老眼が出てきたら二重焦点眼内レンズにてRLEを施行、これは贅沢かつ有用です。
http://www.satouganka.com/icl/
まだ初期のレーシックと同等の価格ですが、今後は徐々に価格が下がってくると考えられます。しかし、価格が下がるにはまだ少し時間がかかりそうです。

どれも有用な術式ですが、近視の患者さんは非常にたくさんおり、強度近視も増加しています。これらの手術を保険適応にしたら国や保険者が破綻してしまうので、今後も保険適応になることはなさそうです。

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年末のご挨拶

「身近な場所にて最先端の医療を提供する」を開院時の目標に掲げ、早くも3ヶ月が経とうとしています。レーシック・白内障手術・緑内障手術・硝子体手術・斜視手術・眼瞼下垂手術・黄斑変性治療(抗VEGF薬注入)・オルソケラトロジーまで、これらすべての施術を当院にてすでに開始させていただきました。これもひとえに、当院をご信頼頂いている患者様、ならびに関係者の皆様のご尽力の賜物です。この場を借りてお礼申し上げます。
今後の目標は、より多くの患者様に最新医療をご提供することにあると考えております。
来年も引き続き「サトウ眼科」をよろしくお願い申し上げます。

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