ICL・レーシック」カテゴリーアーカイブ

FineVision HP(疎水性・ glistening-free)

先々週: ICL近視矯正手術水晶体再建術(EDOFを含む)。
先週: 硝子体茎離断術(RRD)〜水晶体再建術(両眼同日を含む)〜出張手術(笠間眼科)
今週: 遠視レーシック水晶体再建術〜出張手術(鉾田病院)
皆さん経過良好です!

当院では,約6年前の開院以来,最先端の白内障手術をご希望の方には自費診療にて3焦点親水性アクリル眼内レンズFineVision・PhysIOL社)を挿入しています。このIOLがさらに進化したFineVision HPHydrophobic & Physiological・疎水性アクリル)が発売されています。

1999年に発売されたHydroview®(親水性アクリルIOL・H60M・Bausch&Lomb社)において,カルシウム沈着による光学部混濁をきたす症例が多発しました。原因はシリコーン製ガスケットとされ,2001年後半にガスケットの材料がシリコーンからパーフルオロエストラマーに変更されました。しかしガスケット変更前の挿入例において遅発性に混濁をきたす症例もあり,世界中でIOL摘出を要する症例が続出したため,当然ながら現在は発売されていません。この事件が親水性IOLのイメージダウンにつながり,特に保守的な考えの強い日本では,多くの眼科医が親水性IOLアレルギーとなったようです。

親水性のFineVisionはヨーロッパのみならず世界中で広く普及しています。混濁の報告は世界で数例のみであり,いずれの症例もIOLの素材自体に問題があるとは認識されていません。高い安全性と患者満足度(術後メガネは全く不要)から,近年では本邦でも使用するDrが増加しつつあります。

一方,疎水性アクリルIOLなら絶対に安全かというと決してそうではなく,やはり混濁が起きることがあります。疎水性アクリルIOLは,生体内で温度が上昇するとポリマー内の含水率が増加し,温度が下がると析出した水分がポリマー内の空洞に貯留します。数〜10μmの水粒子がIOL光学部全体に生じたものはglisteningと呼ばれ,通常は視機能低下は生じにくいとされるものの,なかには視機能低下症例も報告されています。特にある特定の疎水性アクリルIOLは混濁しやすいことが以前から報告されていましたが,製造工程の改良により,現在これらの発生は軽減されているようです(当院では当該IOLを使用していません)。
FineVision HPは特殊な疎水性アクリル素材を使用しているため,このglisteningの発生が完全に抑えられています(100% glistening-free)。

以上から,親水性にせよ疎水性にせよ,FineVisionの累計挿入症例数はさらに飛躍的に増加するでしょう。
6年前の選択は正しかった,と考えています!

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追加型三焦点眼内レンズ(trifocal supplementary IOL)

先週は,水晶体再建術(両眼同日・EDOFを含む)〜出張手術。
今週は,ICL近視矯正手術水晶体再建術(EDOFトーリックを含む)〜翼状片切除術〜出張手術(鉾田病院)
皆さん経過良好です!

本日は,追加型3焦点眼内レンズSulcoflex trifocal supplementary IOL;Rayner社)について。

白内障手術の際に多焦点IOLを選択する方が増加しています。では,既に単焦点IOLで手術を受けた方が老視矯正の追加手術を希望された場合,単焦点から多焦点IOLへの交換する追加手術が必要?
理論上は可能ですが,初回手術から時間が経過してからのIOL交換手術は必ずしも容易ではなく,術後予想屈折値と誤差が生じることも少なくありません。
よって,既に単焦点IOLが入っている方には,老視矯正専用レンズを追加挿入(piggyback)する方法が推奨されます。ドイツでは20年以上前から専用のIOL(AddOn レンズ)が販売されており,国内でも個人輸入にて使用されています。Addon(アドオン)IOL以外にも数種類ありますが,いずれも二焦点機能です。

昨年,1949年に世界で初めてIOLを製造したRayner社(イギリス)から世界初の三焦点追加眼内レンズであるSulcoflex supplementary IOLが登場し,高い注目を集めています。
患者満足度は高く,術後成績は非常に良好と報告されています。本邦では未承認なので保険適応はありませんが,個人輸入にて当院でも使用を開始したのでご報告いたします!

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単純糖尿病網膜症に対するアイリーアの適応拡大

先々週:硝子体茎離断術(RRD)〜緑内障濾過手術(PEG)〜水晶体再建術(IOL脱臼を含む)〜眼窩腫瘍摘出術(浅在性)〜前後転術(外斜視)〜出張手術(二の宮眼科)
先週:レーシックPTK(帯状角膜変性・アベリノ角膜変性)〜水晶体再建術(EDOF・toricを含むを含む)〜出張手術(笠間眼科)
今週:緑内障インプラント挿入術(PEG・POAG)〜水晶体再建術(EDOFトーリックを含む)〜出張手術(鉾田病院)
皆さん経過良好です!

只今,「股関節治療と職場復帰について」と題しての医師会研修会にて,重要な部分のみ聞き耳を立てつつ内職中…。

本日はアイリーア(Eylea:aflibercept)の適応拡大について。
アイリーアやルセンティスなどの抗VEGF薬は,糖尿病黄斑浮腫(DME)・網膜静脈閉塞症(RVO)での黄斑浮腫・滲出型加齢黄斑変性(AMD)・近視性中心窩脈絡膜新生血管など,中心窩病変を伴う疾病に対して保険診療が認められています。
なかでも頻度の高いDMEは,糖尿病網膜症(DR)が単純性(SDR)から増殖性(PDR)に移行した後・あるいは移行しつつある時に併発することがあります。
米国内の臨床試験にてSDRに対するアイリーアの有用性が証明され,SDRからPDRまで全段階のDRに対するアイリーア硝子体注入が,FDAにて本年5月に承認されました。

DRには汎網膜レーザー光凝固(PRP),DMEには抗VEGF薬,これが基本です。
PRPはSDRからPDRに移行する前増殖性(prePDR)以降において開始され,費用は片眼で約16万円(3割の被保険者なら約5万円の自己負担)ですが,施設を変えない限り支払は通常1回限りです。
アイリーア注入費用は片眼1回で約16万円(ほとんどが薬品代)とほぼ同額ですが,何度も繰り返すことが必須となります。

アイリーアに限らず抗VEGF薬がSDRにも有用であることはその性質上至極当然。
間隔を空けつつも継続投与は必須であり,その費用をどこから捻出するのか…。
米国と異なり,国民皆保険の本邦では税金が投入されることとなります。

抗VEGF薬の薬価は発売当初と比較するとやや減額となっているものの,まだまだ高額です。施行件数も右肩上がりに増加し,保険診療財政を圧迫しています。
早期から抗VEGF薬を開始しPDRへの移行を減らすことにより,結果として総医療費を抑えられれば素晴らしいのですが…..ちょっと現実的ではありません。
本邦もFDAにならって適応拡大となるのでしょうか…?

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JSCRS2019

第34回JSCRS学術総会出席のため、先月に引き続き今月も京都へ。

27(木):午前外来・午後学校健診・所用にて横須賀→新横浜経由で京都へ。
28(金):朝7:30〜会議、午後は特別報告の講演。
29(土):昼にランチョンセミナー講演。

本学会の主な内容。
◆ IOL度数計算式としてBarrett Universal Ⅱ式の人気が急上昇。
◆ LASIKなどのsurface ablation後のIOL度数計算式としてBarrett True K式の人気が急上昇。
◆ 術後眼内炎予防:
眼科は、術前後の感染症対策ガイドラインがない唯一の科。
眼球内が特殊な環境であるとはいえ、ガイドライン作成は必要!
・抗菌薬前房内注入:
行う術者と行わない術者で二分。
モキシフロキサシンを用いてのFlash法→数万件の白内障手術にて術後眼内炎は0%
・ AMR対策:
ヨード、そしてヨード、さらにヨード。数秒から数十秒であらゆる菌を死滅させ、耐性も心配なし。適応外使用であるが、灌流液に最初から注入する手法が有用との報告もあり。
◆ 多焦点IOLの先進医療認定:
先進医療に認可され早10年。日本医師会が反対するところの「IOLだけ患者負担とする選定療養(広義の混合診療)」となれるか、完全な自由診療に逆戻りとなるか、あるいは別の新たな指針が出されるか、もうすぐ答えが出る様子。
◆ 三焦点(+トーリック)IOL:
Alcon社の三焦点IOL(PanOptix)が本年2月に承認され、11月頃から使用可能な見通し。
EU圏では三焦点IOLは何年も前から通常に使用されており、当院でも個人輸入で使用中。
やっと認可されたか…というのが正直な印象。
◆ フェムトセカンドレーザー白内障手術:
米国では急増しているが、日本では数%であり増加傾向にはない。2018年4月以降、多焦点IOLの先進医療の材料費として計上は不可。通常の白内障手術と比較しての大きなメリットが証明されておらず、いわゆる「広告」としてのみ機能しているのが現状。
三焦点+EDOF IOL:
ヨーロッパにおいて三焦点+EDOFのIOLが発売予定の様子。それぞれの利点を有し、しかも光学的ロスがさらに減少。今後のプレミアムIOLのメインは三焦点+EDOF+toric IOLとなりそうな予感。

セミナー終了後は市内ぶらぶら&お買い物。蒸し蒸しした梅雨の時期でも相変わらずの賑わい。
行きは勿論、原稿〆切間近にて帰りの車内でもず〜っとパソコンと睨めっこ。
週明けは溜まりに溜まった手術が….Zzzz…。

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ICL 100 万枚突破

先々週:硝子体茎離断術(ERM)〜緑内障手術(インプラント挿入)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜眼瞼下垂手術翼状片切除術〜出張手術(二の宮眼科)
先週:レーシックICL近視矯正PTK水晶体再建術(EDOF・三焦点を含む)〜出張手術(笠間眼科)
今週:レーシック硝子体茎離断術(DR-VH)〜水晶体再建術〜出張手術(鉾田病院)
皆さん経過良好です!

ICL(眼内コンタクトレンズ)は世界75以上の国と地域で承認されており、出荷枚数が累計100万枚を突破したとのこと。つまり、世界で少なくとも50万人以上に移植されたことになります。
当院でのレーシック希望者において「レーシック適応外であればその際は ICLを 希望」する患者が非常に増加しています。ICLを含めた屈折矯正手術の有用性が広く認知されつつある証拠ですね。
近視は世界的に著しく増加しており、2050 年までには世界の人口の50%を越えるとも予測されています。ICL挿入術は件数的にはまだレーシックに及びませんが、今後さらに増加することは間違いないでしょう。

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AIとDL

今週は、レーシックICL近視矯正硝子体茎離断術(VH)〜水晶体再建術(三焦点を含む)〜眼瞼下垂手術〜出張手術(鉾田病院)
皆さん経過良好です!

週末は日眼総会へ出席。日曜は早朝から会議。
今回の学会のトピックスは以前にも増して、AI(人工知能)DL(深層学習)
眼底写真やOCT所見から、9割程度の正解率でAIによる確定診断が可能になりつつあるとのこと。
眼科におけるAIの今後ついては2年前にも書きましたが、ほぼ予想通りのスピードで普及しそうです。診断は主にAIが、手術加療は医師が、という時代がもうすぐやってきます。どこに受診しても診断は変わらず、ポイントは医師が治療を施せるか否か、となるのでしょうね。

個人的に興味を持って拝聴したのは、AMR(薬剤耐性)について。
現在、耐性菌感染による死亡者数は世界で年間70万人ですが、2050年にはこれが年間1,000万人となり、悪性腫瘍を抜いて断トツ1位の死因になると予想されています。しかし、
・耐性菌の増殖能は弱く長生きはしない。
・EUでは国によって耐性率は大きく異なる。
・米国では過去5年で耐性菌は増加していない。
ということで、そんなに怖がらなくて大丈夫のようですが、抗菌薬点眼3日間でも耐性菌は出現するとのことで、抗生剤の乱用は控えるべきであることは確か。
ウイルス性結膜炎でも細菌性結膜炎でもただの結膜炎でも、不思議なことにいずれでも抗菌薬点眼は保険適応あり。ここから変えないとダメな気がしますね。

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EYBELIS(Eye Bella:美しい目)

今週は、レーシックPTK緑内障手術(インプラント挿入)〜水晶体再建術(両眼同日・二焦点・EDOFトーリックを含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
皆さん経過良好です!

週末はエイベリス発売記念講演会へ出席。全国から数百名のDrが参加とのこと。
世界初の選択的EP2受容体作動性の緑内障治療薬であるエイベリス点眼液が、平成30年11月に発売開始となっています。現行のPG製剤と比較し、同等の眼圧下降作用がある一方で、眼瞼色素沈着・上眼瞼陥凹・睫毛異常等の眼局所の副作用は少ないとされています。しかし、IOL挿入眼はCME発症のリスクがあり禁忌。
実際には副作用を起こす症例を稀に経験しますが、若年女性や片眼症例などでは第1選択となりうるでしょうね。

最近、朝食はブッフェよりも和食…笑。

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靖国参拝

3月第1週目:レーシックPTK緑内障手術(インプラント挿入)〜水晶体再建術(両眼過熟同日・EDOFを含む)〜重瞼術(睫毛内反)〜出張手術(笠間眼科)。
第2週目:レーシックICL近視矯正術水晶体再建術(両眼同日・EDOFを含む)〜重瞼術(眼瞼内反)〜出張手術(二の宮眼科)。
第3週目:水晶体再建術(二焦点を含む)〜出張手術(鉾田病院)。
第4週目:硝子体茎離断術(特発性ERM・続発性ERM・DR-VH)〜水晶体再建術(二焦点・EDOFトーリックを含む)〜出張手術(笠間眼科)。
皆さん経過良好です!

週末は靖国神社に参拝。
天候に恵まれ、桜が満開のこともあり、靖国〜皇居周辺は大変な賑わい。

気分も新たに、新年度も頑張ります!

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ICLの適応拡大

先々週:レーシック水晶体再建術(EDOFを含む)〜眼瞼下垂手術重瞼術(睫毛内反)〜出張手術(二の宮眼科)。
先週:ICL近視矯正術水晶体再建術(EDOFを含む)。
今週:レーシック硝子体茎離断術(PDR)〜水晶体再建術(両眼同日・EDOFを含む)〜出張手術(鉾田病院)。
皆さん経過良好です!

本日はICLの適応拡大について。

前房深度「3.0mm未満」は禁忌でしたが、国際的な整合性に基づき「2.8mm未満」に緩和。

さらに、日本眼科学会の屈折矯正手術ガイドラインも改訂:
・禁忌であった円錐角膜に関して、「矯正視力が比較的良好で、かつ非進行性の軽度円錐角膜症例」も慎重適応に。
・これまでICLの適応屈折度数は「−6.0D以上」でしたが、「−3.0D〜−6.0D」も慎重適応に。

以上のように、適応が大きく拡大されました!

といっても、これまでも「−3.0D〜−6.0D」に対するICLは国内認可されており、ガイドラインとの相違が問題となっていたため、「ガイドラインが現実に近づいた」とも言えるでしょう。

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花粉症

先々週:涙嚢摘出術(慢性涙嚢炎)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜出張手術(笠間眼科)。
先週:硝子体茎離断術(PDR×2)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜出張手術(鉾田病院)。
今週:レーシック硝子体茎離断術(PDR)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜出張手術(笠間眼科)。
皆さん経過良好です!

そろそろ花粉症到来の時期。
今週は耳鼻咽喉科Drによるアレルギー性鼻炎の懇話会に出席。

有病率は40%(学生だと60%)で、いわゆる国民病。
疾病別患者数は断トツで第一位。
鼻閉を伴う場合も考慮すると年間の経済的損失は約4兆4,000億円となり、やはり疾病別で第一位。

舌下免疫療法(SLIT)は、以前の注射と比較し、副作用が少ない・家庭でもできる・5歳以上から可能(マル福OK)などメリットが多く、かなり広まりつつある。
しかし、最低でも3年間毎日行う必要があり、イタリアでは95%が脱落…(これはお国柄? 勤勉な日本人では、ここまでは脱落しない?)。

農研機構が研究開発中のスギ花粉米も注目されているようです。
薬でなく、毎日食べるお米で免疫寛容を得ようとする試み。
胃で消化されにくく、腸まで届くため、腸管免疫システムに作用し減感作作用を発揮。
安全性は問題なし。詳細な有効性はまだ不明。
問題は、食品か、医薬品か。
医薬品ではないし、かといって遺伝子組換え米が安易に認可されるかどうか。いずれにしてもハードルが高いようです。

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