地図状萎縮に対するIZERVAY(avacincaptad pegol)

週末からお盆休みのため,今週は,水晶体再建術(両眼同日・連続焦点トーリックを含む)〜睫毛内反手術(埋没法)のみ。
皆さん経過良好です。

先週,IZERVAY™avacincaptad pegolACPアステラス社)が「地図状萎縮GA;geographic atrophy)を伴う加齢黄斑変性」の治療薬として米国FDAに承認されました。

本年2月に,SYFOVRE補体因子C3の阻害剤)がGAの治療薬として初めて承認されました。IZERVAYは2番目のGA治療薬となりますが,補体因子C5の阻害剤としては初めてです。

GA(萎縮型加齢黄斑変性;dry AMD)は,黄斑部網膜が加齢とともに萎縮し,徐々に拡大してくるもので,加齢黄斑変性の多くはこのタイプです。萎縮の進行は遅く,ゆっくりと視力が低下していくのが特徴です。
一方,滲出型加齢黄斑変性(wet AMD)において,抗VEGF療法にて滲出型病変は沈静化したものの,黄斑部網膜の萎縮病巣が徐々に拡大し,視力低下が進行してしまう症例も少なくありません。
萎縮病変の拡大をいかに早期に抑制できるかが鍵となり,このIZERVAY投与によって進行スピードが緩やかになることが立証されています。

いずれも黄斑部網膜の萎縮が治癒するわけではありませんが,進行のスピードを鈍化させることは確かです。
国内での早期承認を期待しましょう!

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