IC-8 Apthera IOL

先々週は,ICL近視矯正手術×4〜硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜前後転術×2(外斜視・内斜視)〜iStent inject W 挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(連続焦点トーリックを含む)〜翼状片切除術〜出張手術(笠間眼科)。
先週は,レーシック×4〜ICL近視矯正手術×4〜硝子体茎離断術(裂孔原性網膜剥離)〜iStent inject W 挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(両眼同日・連続焦点トーリックを含む)〜出張手術(鉾田病院)。
今週は,ICL近視矯正手術〜iStent inject W 挿入術(緑内障)〜水晶体再建術(連続焦点トーリックを含む)〜眼瞼下垂手術。
皆さん経過良好です。

5年前の当ブログでも触れたAcuFocus社のIC-8 Small Aperture IOLが,IC-8 Apthera IOLとの名で,つい先日FDAに承認されました。

IC-8 Apthera IOLは,小口径pinhole効果によって焦点深度が通常の単焦点IOLより深くなる Extended Depth of Focus IOLです。

利点:
・両眼単焦点IOL症例とほぼ同等のコントラスト感度
ノントーリック IOLであるにもかかわらず,1.5 Dまでの 角膜乱視に対応(臨床試験では2Dの焦点深度)
・非優位眼にのみ挿入するものの,従来のようなモノビジョンとは全く異質
・グレア・ハローが生じにくい
・不正乱視症例でも裸眼視力良好

欠点:
視野狭窄などを呈する他の眼疾患がある症例は適応外

瞳孔径が大きめで羞明を訴える縮瞳不良例,古い屈折矯正手術既往がありグレア・ハローの訴えの強い症例などは極めて良い適応となります。

日本は欧米と比較してモノビジョンには消極的ですが,このIOLは従来のモノビジョンとは大きく異なります。FDAでも承認されるレベルの有用性が立証されており,本邦でも広く受け入れられる可能性を秘めていると言えるでしょう。

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