有用な近視進行抑制法は?

昨日はつくば地域の眼科講演会に足を運びました。元同僚達との講演会後の懇親が主目的ではありましたが…
さて、近視の進行は本当に抑制可能なのか?累進屈折多焦点眼鏡、累進多焦点コンタクト、アトロピンなどの調節麻痺薬の点眼などなど…低濃度アトロピン点眼は唯一有用(かもしれない)とのことですが、まだ長期データに乏しく何とも言えません。古くから様々な手法が試されてはいますが、中止すると加速度的に近視が進行する手法もあり、それでは全く意味がありません。
そんななか、オルソケラトロジーは近視進行抑制効果がある!との報告が散見されてきています。5年間オルソケラトロジーを継続すると、5年間眼鏡装用した場合と比較し30%進行が抑制されるとのこと。これをどう捉えるか!例えば眼鏡では3D近視が進行してしまうところが、およそ2Dの進行で抑えられる、という感じです。う〜ん、非常に微妙ですよね……結局は進行する、ということですから。
日中の良好な裸眼視力を目的とすれば、オルソケラトロジーは非常に有用と考えられますが、近視進行抑制法とは捉えない方が無難ですね。
結論として、残念ながら決め手となる非侵襲性近視進行抑制法は存在しません。日常のケアフリーで近視を治す手法はレーシックやICLなどの外科的手術のみ、という状況に変わりはありません。

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