月別アーカイブ: 2014年5月

ブラッスリー ドゥ・プラ

IMG_2634-300x225昨夜はブラッセリー ドゥ・プラ/2platsにて筑波大学眼科スタッフの懇話会でした。つまり、筑波大の現教官と元教官(いずれも准教授もしくは講師)の飲み会です。医学部の診療科主任教授の権力は絶大ですが、教授以外のスタッフではそう大差はありません(^^;)。とはいっても、教える立場の教官と教わる立場のレジデントとでは当然大きく異なり、スタッフは臨床・研究・教育と連日大忙しです。その職に就いたものにしかわからない労をねぎらい、情報交換を行う事が主目的の懇話会でした。
カジュアルフレンチではありましたが、料理・ワインともにとてもおいしかったです。オフレコ話で盛り上がり、居酒屋のように皆が騒いでしまい少し反省…(^^;)
海外留学を志す者、手術に明け暮れる者、教授を目指す(?)者…などなど、人それぞれですね。
そんななか、「レーシック〜白内障・緑内障・網膜硝子体手術まで、いずれも最先端の医療を身近な場所で提供する!」という私の選択は正しかったと再確認でき、とても有意義な時間を過ごせました!

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有用な近視進行抑制法は?

昨日はつくば地域の眼科講演会に足を運びました。元同僚達との講演会後の懇親が主目的ではありましたが…
さて、近視の進行は本当に抑制可能なのか?累進屈折多焦点眼鏡、累進多焦点コンタクト、アトロピンなどの調節麻痺薬の点眼などなど…低濃度アトロピン点眼は唯一有用(かもしれない)とのことですが、まだ長期データに乏しく何とも言えません。古くから様々な手法が試されてはいますが、中止すると加速度的に近視が進行する手法もあり、それでは全く意味がありません。
そんななか、オルソケラトロジーは近視進行抑制効果がある!との報告が散見されてきています。5年間オルソケラトロジーを継続すると、5年間眼鏡装用した場合と比較し30%進行が抑制されるとのこと。これをどう捉えるか!例えば眼鏡では3D近視が進行してしまうところが、およそ2Dの進行で抑えられる、という感じです。う〜ん、非常に微妙ですよね……結局は進行する、ということですから。
日中の良好な裸眼視力を目的とすれば、オルソケラトロジーは非常に有用と考えられますが、近視進行抑制法とは捉えない方が無難ですね。
結論として、残念ながら決め手となる非侵襲性近視進行抑制法は存在しません。日常のケアフリーで近視を治す手法はレーシックやICLなどの外科的手術のみ、という状況に変わりはありません。

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眼精疲労と網膜剥離

最近、手術が必要な網膜剥離症例がポツポツと受診されます。

もう数年前になりますが,「鍼治療後に急に見えなくなった」との訴えの症例を経験したことがあります。眼精疲労に対し、まつげの外側付近に鍼治療を行われたとのこと。初診時は上方網膜に怪しい裂孔様のものが2カ所認められましたが,出血で詳細は不明。エコーで網膜剥離はなさそうなので4日後に再診すると,出血はかなり吸収され視力も回復。上方網膜にはやはり2カ所の裂孔が判明し,一方の網膜裂孔内には脈絡膜欠損部が…まさか!鍼による二重穿孔…?…幸いにも眼内炎の併発はなく,裂孔周囲に光凝固を施行するだけで、手術をせずに事なきを得ました。

鍼と眼精疲労についてネット検索してみると,その世界ではどうやら一般的なようです。肩凝りもどきと考えると,効きそうな気もしないでもありませんが。。。さらに鍼と網膜裂孔についてざっと調べてみると,過去の報告例ははっきりしません。むしろ「網膜剥離が鍼で治る!」というような甘い文句を謳ったサイトがあまりにも多く,また同様に懐疑的な内容の文献が医学中央雑誌でもヒットします。これには驚きを隠せません。
電動マッサージ器による外傷性白内障などのように,使い方を間違えると大変な事になる「物」であふれている現在,何が良くて何が悪いのか,すべて自己責任の下で本質を見抜く資質が要求される時代といえるのかもしれません。
でも、網膜剥離は鍼で治り…ませんね。現代西洋医学における周知の事実として、手術にて根治が可能です。

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