月別アーカイブ: 2015年4月

噂の現場

今日は良い天気でしたね〜。世間はいよいよGW突入です。
本日の「噂の!東京マガジン」、つくば市内・近郊にお住まいの方は気になりますよねー。
総事業費305億円の総合運動公園…
市内では新たに複数の小中一貫校が開校予定で、この予算も莫大とのこと。その一方で、エアコンのない公立学校がまだ多数存在するそうです。
番組内で市民団体が指摘していたように、まずは住民投票?
どうなることやら…決着にはまだまだ時間がかかりそうですね。

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緑内障発作予防としての白内障手術

今週は4日連続手術。内容も外眼・緑内障濾過手術レーシック白内障手術と多岐にわたりちょっと疲れましたが、皆さん術後経過良好で何よりです!

さて本日は、緑内障発作の治療について。
角膜裏面と水晶体前面の空間を「前房」といいますが、この前房の深さにはかなりの個人差があります。一般に、近視が強い場合は深く、遠視が強い場合は浅い傾向があります。元々前房が浅い(隅角が狭い)方が、感情的ストレス・低照明下での近見作業・服薬などにて軽度の散瞳状態となり、眼圧が急激に上昇する場合(急性緑内障発作)があります。スライド1

発作を起こすと、激しい眼痛・頭痛・視力低下・吐き気・嘔吐などの症状を呈し、夜間救急外来を受診するケースもよく見受けられます。受診せずにそのまま放置すると、永続的な視力障害を呈する場合も少なくありません。

スライド2

緑内障発作が明らかな場合、すぐに眼圧を下げるために、投薬を併用しつつ非観血的レーザー虹彩切開術を早急に施行します。
片眼に発作を起こした場合、非発作のもう片眼(僚眼)は発作予防のために同レーザー施術を施します。

スライド3

 

近年では、このレーザー施術の代わりに、少なくとも非発作眼では、白内障手術(水晶体再建術)を第一選択とすることも一般的になりつつあります。厚い水晶体を薄い眼内レンズに交換することで前房が深くなり、発作が解除あるいは予防可能となります。
将来的な白内障手術の時期を早めることで緑内障発作も予防可能となるため、まさに一石二鳥といえるでしょう。

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最大シェア多焦点IOLの国内出荷停止

眼科最大手(Alcon社)の多焦点眼内レンズ(ReSTOR:レストア)は、国内のみならず国際的に最大シェアを誇る多焦点IOLですが、2015/4/13〜出荷停止および使用中止となりました。ReSTORを用いた白内障手術症例において、術後眼内炎症例が年明けから15例報告されたため、因果関係が明らかになるまで当面の期間出荷が停止されるとのこと。現時点では明確な事は言えませんが、無菌性眼内炎が最も疑われます。
再出荷がどのくらい先になるかは不明瞭であるため、当面は他社製の多焦点IOLに切り替えることになりますが、当院ではいずれにせよ先進医療であることに相違ありません。

以前、HOYA社の単焦点IOLの一部による眼内炎発症リスクの上昇が明らかとなり、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の指導に基づき、2013年2月に対象IOLの自主回収が行われました。原因は加工途中の部品にあることが判明し、原因を除去した後に数千例におよぶ前向き調査が行われ、安全性が確認された後に再出荷にいたっています。この間、実に約1年半近くの出荷停止となりました。

Alcon社は眼科医からの信頼も厚い世界的な業界トップメーカーですから、不具合原因は早急に究明解決されることでしょう。速やかな再出荷を期待しつつ今後の推移を見守りたいと思います。

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糖尿病黄斑浮腫(DME)

週末に「DME治療の実例」と題した依頼講演を行ってきました。糖尿病を放置したり血糖コントロールが不良な期間が長引くと、網膜の中心(黄斑)が浮腫んで、視力が低下してしまう場合があります。DME(糖尿病黄斑浮腫)の治療方法として、①増殖糖尿病網膜症治療の基本である汎網膜光凝固PRP)、②トリアムシノロンのテノン囊下注射(STTA)、③抗VEGF薬の硝子体内注入(IVR or IVA)、④トリアムシノロンの硝子体内注入(IVTA)、⑤内境界膜剥離併用硝子体手術(ILM peeling)、そして⑥黄斑部マイクロパルス閾値下レーザー、が挙げられます。これらを上手に組み合わせて黄斑浮腫を軽減させ、低下した視力を回復させます。

①はDME治療の基本であり、まず行うべき治療です。ただし、網膜中心近く(黄斑部)への照射は有害となる可能性が高いため、網膜の中心付近への照射は避けるのが通例です。そこでまずトライするのが②です。眼球外へのステロイド注射にて安全性も高いのですが、網膜に間接的に効果を発揮させることになり、十分な効果が得られない場合もあります。

②で効果不十分な場合は、③ルセンティスもしくはアイリーアという薬剤を用いての眼内注射を施行します。薬品代は高額ですが、その分高い効果が得られます。スライド1

④のステロイドの眼内注入も非常に有効ですが、複数回の注射にての高率に白内障を引き起こすのが難点です。薬品代は③と比較すると安価なため、白内障手術をすでに白内障手術が済んでいる場合にはお勧めな治療法です。

③や④を施しても、すぐに再発してしまう症例もあります。そのような症例は網膜の前面に膜が張ってしまっている場合が多く、⑤その膜除去とともに再発予防として正常網膜の一部(内境界膜)も剥離するのが一般的です。現在の極小切開硝子体手術は安全性が確立されていますので、日帰りにて十分対処可能な手術です。

スライド2 ILM剥離

 

 

 

 

 

⑥のマイクロパルス閾値下レーザーは今後非常に期待される治療法であり、TOMEY製IQ577レーザーを当院で採用しているのも、このマイクロパルスモードを搭載しているためです。黄斑網膜に凝固瘢が出ない程度の弱いレーザー(正常網膜に暗点などの障害を及ぼさない程度の弱さ)を照射するもので、手術を含めて他のあらゆる治療が無効な黄斑浮腫症例に効果が期待されています。
DMEの治療成績は以前と比較して格段に良くなっていますが、それでもやはり治療に難渋する症例は存在します。その多くが全身状態が不良であったり、糖尿病を長年放置してしまった場合であり、一番の治療が血糖コントロールであることは今も昔も変わりません。

講演後は鮨処 修にて懇親会。さすが!のお寿司屋さんですね。
先週・今週は、緑内障手術レーシック白内障手術結膜弛緩症手術。皆さん経過良好で何よりです!来週も同様に緑内障手術レーシック白内障手術。頑張ります!

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