硝子体手術」カテゴリーアーカイブ

PanOptix

先々週は, レーシック水晶体再建術(両眼同日・二焦点・EDOFを含む)〜眼瞼内反手術〜出張手術(二の宮眼科)
先週は, ICL近視矯正手術〜硝子体茎離断術(PDR-VH)〜水晶体再建術(両眼同日・二焦点を含む)〜出張手術(鉾田病院)
先週は,水晶体再建術(両眼同日・LASIK後・2焦点・EDOFを含む)。
皆さん経過良好です!

週末は臨眼にて京都へ。
・Surgical retinaのsession。CRAOに対しdisc上にてt-PA動脈内注入…素晴らしいとは思いますが,リスクが高く,一般には普及しないでしょうね。
・最新の医療機器なども色々と拝見。光眼軸がついた前眼部三次元OCT(アンテリオン),精度も全く問題ないようです。All in oneの時代。
・国内初のEDOF(焦点深度拡張)型コンタクトが登場するも,まだまだ改良の余地あり。
・ICL挿入後10年以上経過し,白内障手術時に摘出したICLの電子顕微鏡精査。摘出ICLに混濁は全く認められず,素材であるコラマー(HEMAを主成分とする含水性ポリマー)の生体安定性が改めて実証。
PanOptix(アルコン社)が3焦点IOLとしては本邦で初めて本年2月に認可され,臨眼期間中の10/25(金)に国内販売が正式開始。26(土)夜はHYATT REGENCYでの発売記念レセプションに参加。先進医療適応のため,PanOptixのプチバブルが到来するでしょうが,先進医療がいつまで続くかの答えはまだ見えず…。

金土は,朝から晩まで,最新の情報・医療機器など大変勉強になりました。
日曜は早朝からJSCRSの会議に出席し,終了後すぐに帰路へ。
今年3度目の京都,また12月にも行く予定です!

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 院長(佐藤正樹)ブログ 本日も視界良好!のトップページ

Preperimetric glaucoma(PPG・前視野緑内障)

今週は, 硝子体茎離断術(近視性網膜分離(MHRD合併)・BRVO-VH・AMD-VH)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜出張手術(笠間眼科)
皆さん経過良好です!

昨夜は某緑内障点眼薬の発売3周年記念講演会に出席。
前視野緑内障preperimetric glaucoma・PPG)〜早期緑内障の黄斑部OCT
⇒Temporal raphe signの有用性を改めて再確認
・PPGの50%は15年で早期緑内障へ発展
⇒つまり50%は緑内障にならないという事実…..経過観察が非常に重要!
・緑内障術後のischemic blebにおける細菌性眼内炎の数例報告
⇒私は積極的に濾過手術や流出路再建術を行っていますが,少しischemicくらいでないといずれ眼圧が再上昇してくることがあるため,あえてischemic blebとする症例も少なくありません。多少のoozingはあったとしても緑内障術後眼内炎など起きた経験はなく,頻発するものではないはずなのですが…..なぜそんなに量産…?


やっぱり朝食はブッフェよりも和食…笑。

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 院長(佐藤正樹)ブログ 本日も視界良好!のトップページ

開院6周年

先週は, レーシック硝子体茎離断術(黄斑円孔・DR-VH)〜水晶体再建術(EDOF・2焦点を含む)〜出張手術(鉾田病院)
皆さん経過良好です。

週末は早朝からゴルフ。気が置けない旧友と語らい,気分もリフレッシュ。
 
そして今日は「TABLE」にてランチ ♪

本日,早いもので開院6周年を迎えました!
診察券番号41482のユニークIDを本日発行し,開院後6年間で4万1千人強の新規患者様にご来院頂いたことになります。受診されたすべての患者様、そしてスタッフに日々感謝です。

今後も引き続き,個別化屈折矯正手技ISEE治療レーシックICLオルソケラトロジー)〜三焦点EDOFプレミアム白内障手術硝子体手術(MIVS)〜緑内障手術(MIGS)〜眼瞼下垂手術斜視手術抗VEGF療法など,最先端かつ最良のテーラーメイド医療を提供し続けます!

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 院長(佐藤正樹)ブログ 本日も視界良好!のトップページ

FineVision HP(疎水性・ glistening-free)

先々週: ICL近視矯正手術水晶体再建術(EDOFを含む)。
先週: 硝子体茎離断術(RRD)〜水晶体再建術(両眼同日を含む)〜出張手術(笠間眼科)
今週: 遠視レーシック水晶体再建術〜出張手術(鉾田病院)
皆さん経過良好です!

当院では,約6年前の開院以来,最先端の白内障手術をご希望の方には自費診療にて3焦点親水性アクリル眼内レンズFineVision・PhysIOL社)を挿入しています。このIOLがさらに進化したFineVision HPHydrophobic & Physiological・疎水性アクリル)が発売されています。

1999年に発売されたHydroview®(親水性アクリルIOL・H60M・Bausch&Lomb社)において,カルシウム沈着による光学部混濁をきたす症例が多発しました。原因はシリコーン製ガスケットとされ,2001年後半にガスケットの材料がシリコーンからパーフルオロエストラマーに変更されました。しかしガスケット変更前の挿入例において遅発性に混濁をきたす症例もあり,世界中でIOL摘出を要する症例が続出したため,当然ながら現在は発売されていません。この事件が親水性IOLのイメージダウンにつながり,特に保守的な考えの強い日本では,多くの眼科医が親水性IOLアレルギーとなったようです。

親水性のFineVisionはヨーロッパのみならず世界中で広く普及しています。混濁の報告は世界で数例のみであり,いずれの症例もIOLの素材自体に問題があるとは認識されていません。高い安全性と患者満足度(術後メガネは全く不要)から,近年では本邦でも使用するDrが増加しつつあります。

一方,疎水性アクリルIOLなら絶対に安全かというと決してそうではなく,やはり混濁が起きることがあります。疎水性アクリルIOLは,生体内で温度が上昇するとポリマー内の含水率が増加し,温度が下がると析出した水分がポリマー内の空洞に貯留します。数〜10μmの水粒子がIOL光学部全体に生じたものはglisteningと呼ばれ,通常は視機能低下は生じにくいとされるものの,なかには視機能低下症例も報告されています。特にある特定の疎水性アクリルIOLは混濁しやすいことが以前から報告されていましたが,製造工程の改良により,現在これらの発生は軽減されているようです(当院では当該IOLを使用していません)。
FineVision HPは特殊な疎水性アクリル素材を使用しているため,このglisteningの発生が完全に抑えられています(100% glistening-free)。

以上から,親水性にせよ疎水性にせよ,FineVisionの累計挿入症例数はさらに飛躍的に増加するでしょう。
6年前の選択は正しかった,と考えています!

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 院長(佐藤正樹)ブログ 本日も視界良好!のトップページ

単純糖尿病網膜症に対するアイリーアの適応拡大

先々週:硝子体茎離断術(RRD)〜緑内障濾過手術(PEG)〜水晶体再建術(IOL脱臼を含む)〜眼窩腫瘍摘出術(浅在性)〜前後転術(外斜視)〜出張手術(二の宮眼科)
先週:レーシックPTK(帯状角膜変性・アベリノ角膜変性)〜水晶体再建術(EDOF・toricを含むを含む)〜出張手術(笠間眼科)
今週:緑内障インプラント挿入術(PEG・POAG)〜水晶体再建術(EDOFトーリックを含む)〜出張手術(鉾田病院)
皆さん経過良好です!

只今,「股関節治療と職場復帰について」と題しての医師会研修会にて,重要な部分のみ聞き耳を立てつつ内職中…。

本日はアイリーア(Eylea:aflibercept)の適応拡大について。
アイリーアやルセンティスなどの抗VEGF薬は,糖尿病黄斑浮腫(DME)・網膜静脈閉塞症(RVO)での黄斑浮腫・滲出型加齢黄斑変性(AMD)・近視性中心窩脈絡膜新生血管など,中心窩病変を伴う疾病に対して保険診療が認められています。
なかでも頻度の高いDMEは,糖尿病網膜症(DR)が単純性(SDR)から増殖性(PDR)に移行した後・あるいは移行しつつある時に併発することがあります。
米国内の臨床試験にてSDRに対するアイリーアの有用性が証明され,SDRからPDRまで全段階のDRに対するアイリーア硝子体注入が,FDAにて本年5月に承認されました。

DRには汎網膜レーザー光凝固(PRP),DMEには抗VEGF薬,これが基本です。
PRPはSDRからPDRに移行する前増殖性(prePDR)以降において開始され,費用は片眼で約16万円(3割の被保険者なら約5万円の自己負担)ですが,施設を変えない限り支払は通常1回限りです。
アイリーア注入費用は片眼1回で約16万円(ほとんどが薬品代)とほぼ同額ですが,何度も繰り返すことが必須となります。

アイリーアに限らず抗VEGF薬がSDRにも有用であることはその性質上至極当然。
間隔を空けつつも継続投与は必須であり,その費用をどこから捻出するのか…。
米国と異なり,国民皆保険の本邦では税金が投入されることとなります。

抗VEGF薬の薬価は発売当初と比較するとやや減額となっているものの,まだまだ高額です。施行件数も右肩上がりに増加し,保険診療財政を圧迫しています。
早期から抗VEGF薬を開始しPDRへの移行を減らすことにより,結果として総医療費を抑えられれば素晴らしいのですが…..ちょっと現実的ではありません。
本邦もFDAにならって適応拡大となるのでしょうか…?

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 院長(佐藤正樹)ブログ 本日も視界良好!のトップページ