月別アーカイブ: 2016年7月

猫も杓子も

今週水曜は水晶体再建術硝子体茎離断術(黄斑円孔)〜眼瞼下垂手術(眼瞼挙筋短縮)。
金曜はレーシックPTK水晶体再建術硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜眼瞼内反手術(眼輪筋縫縮)。すべて滞りなく終了し経過良好です。

御多分に洩れず、ポケモンGOをインストール。自宅リビングにゼニガメが…?…とりあえずゲット(^^;)。これはしばらく遊べそうです。
Googleとタイアップするとは…世界中で万人が楽しめる遊び、よく考えましたね〜。何か大きな事故が起こらなければ良いのですが…
ポケモン以外でも、レア昆虫・希少植物・猛獣・珍獣・宇宙人・お化け?など、世代を超えた応用が効くかもしれません。さらなる需要が見込めそうですね。

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Dysphotopsia

今週は水曜と木曜とでレーシック眼瞼下垂手術水晶体再建術両眼同日症例を含む)〜硝子体茎離断術糖尿病黄斑浮腫増殖糖尿病網膜症)。すべて経過良好です!
昨日はDME治療に関する依頼講演を行い,講演後は鮨処 修にて懇親会。金曜日でもあり予約で満席。相変わらず全品美味しく,前日の脱稿も手伝って気分良くお酒が進み,業界裏話で盛り上がり….おかげで今朝はひどい頭痛が…(^^;)

本日はDysphotopsiaについて。
白内障術後の患者さんが極々稀に「光が走る」「影が見える」などの症状を訴えることがあり,これらの一連の症状をDysphotopsia異常光視症)と呼びます。ほとんどの症例において手術は完璧で,にもかかわらず症状の原因が不明であるため,一次的な不定愁訴として解釈されてしまうことがあります。確かに一次的な場合も多いのですが,ず〜っと症状が取れない場合もあります。
DysphotopsiaにIOLの光学部エッジが関連しているとの指摘はあるものの,因果関係ははっきりしていません。IOLの素材は無関係・症状は縮瞳で増悪し散瞳で軽減する,との指摘もあります。

先月のJSCRS総会で,来日されたHenderson先生(ASCRSの次期会長)が非常に興味深い講演をされていました。Acceptされるであろう論文のrevise中とのことなので,簡潔に要点を述べると「瞳孔は角膜中央からやや下鼻側に偏位しているため,下鼻側の光学部エッジが問題である。IOL支持部の固定をある一定の方向に意図的に操作することで,Dysphotopsiaを有意に減少出来た。」ということでした。IOLの光学部は正円ですが,支持部との接合部は不整形であり,その形状はIOLによって様々です。乱視矯正IOLなど特殊な場合を除き,通常のIOL囊内固定においては,支持部の固定方向には特に注意を払わないのが一般的です。IOL支持部の方向を変えるとは….なるほど!
おそらく,かなり大きなCCC(前囊切開)とし,光学部径の大きなIOLを入れれば問題はないのでしょう。しかし,世界的にも6.0mm径のIOLが圧倒的なシェアを占めているため,Dysphotopsia予防を目的としてわざわざIOLの光学部サイズを変更するのは非現実的でしょうね。それよりも挿入IOLの固定位置を変えることは有用でかつ非常に現実的であると感じます。

2005年にDavid F. Chang先生(2012〜2013年のASCRS会長)は,前立腺肥大治療薬であるα1遮断薬でIntraoperative floppy iris syndrome(術中虹彩緊張低下症候群;IFIS)が引き起こされる,との初めての報告を行いました。その後の追試で関連が明らかとなり,今では明々白々の事実となっています。先に述べたDysphotopsiaの原因および対処法は,IFISの初報告と同じくらいの衝撃を受けます。両先生とも他とは異なる視点・新しい発想をお持ちのようで,さすがASCRS会長だと感服するばかりです。
新製品は規制の緩いEUからやってきますが,新発想はやはりUSAからなんですね〜。

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JSCRS総会印象記

今日は金曜日。午後からレーシック水晶体再建術硝子体茎離断術増殖糖尿病網膜症)の手術を施行。すべて滞りなく終了です。
JSCRS総会での講演も無事終わり束の間の休息…来週金曜のDME治療に関する講演の準備も…(^^;)。

今年度のJSCRS総会でも新しい治療法など非常勉強になりました。
興味深かった主な発表内容:
◆適応外ではあるものの、ICLを通常のIOL挿入眼にpiggybackとして挿入可能。
◆イタリアでの多焦点IOLは、もはや二焦点でなく、皆ほぼ三焦点IOLへシフト。
◆全層角膜移植前にマイクロ波(電子レンジと基本的に同じ)を照射し角膜を平坦化。その後フェムトセカンドレーザーで全層角膜移植(ジグザグPKP)。これにより術後前房深度が正常化。
◆全層角膜移植後にレーシックは可能。PRKはヘイズ(角膜混濁)を生じやすいのでレーシックを奨めるとのこと。
◆IOL挿入後の度数ずれ(refractive surprise)に対するエキシマレーザーでのtouch up(追加屈折矯正)。90歳代の症例にレーシックでのtouch upを行い術後経過良好とのこと。今後は100歳に対するレーシックもありうるとの座長のコメント!
◆2015年の国内レーシック症例に対する前向き研究の結果の発表。15,000例近くの膨大なデータです(当院のデータも含む)。英語投稿論文のco-authorに入る予定なので、あまり詳細は述べませんが、術後平均裸眼視力は1.4と非常に良好で、合併症もほとんどなし!

一年経つと、内容もどんどん進化しますね〜。また来年も楽しみです。

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