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緑内障学会

先週は,レーシックPTK(顆粒状角膜変性)〜硝子体茎離断術(増殖糖尿病網膜症)〜水晶体再建術(両眼同日・連続焦点トーリックを含む)〜出張手術(鉾田病院)。
今週は,ICL近視矯正手術〜水晶体再建術(両眼同日・連続焦点トーリックを含む)〜眼瞼下垂手術。
皆さん経過良好です。

今週末は第34回日本緑内障学会。
金曜土曜は虎の門ヒルズにてrealで,日曜は自宅からonline liveにて拝聴。

今回のハイライト:
須田記念講演
・アルツハイマー病は第3の糖尿病
・緑内障は第4の糖尿病!
乳酸には神経保護作用あり。
メトホルミン(肝臓で糖新生を阻害)投与 ⇒ 内因性の乳酸 ↑ ⇒ 神経保護
メトホルミン内服中のDM症例では緑内障性視神経症が有意に少ない!

落屑緑内障
・コレステロール代謝に関与するCYP39A1遺伝子のG204E変異 ⇒ 重症化しやすい

マイクロフック流出路再建術(眼内法)
・眼圧下降効果;S-LOT ≒ マイクロフック ≒ iStent
・術前にROCK阻害薬(主経路に作用)使用の症例は,他の薬剤と比較し有意に有効
(主経路を拡げておかないと廃用性萎縮で有用性が低下する!)

マイクロシャント(参天)が今月正式発売:
・講習会受講が必要なライセンス制
・眼圧下降効果;マイクロフック<マイクロシャント<レクトミー
・落屑緑内障では成績不良 ⇒ 決して万能ではなく過度な期待は禁物!

★国産ECP(内視鏡的毛様体光凝固)が承認発売:
・グリーンレーザー対応にて高い汎用性
・内視鏡付き同軸レーザーにて角膜side portから360°施行可能
・ロングチューブシャントが無効な難症例にも有用
・海外では白内障手術とECP(ダイオードレーザー)の同時手術も普通に行われており,今後の国内普及に期待

レクトミーと術前点眼:
・FP作動薬によるPAP(Prostaglandin-associated periorbitopathy;プロスタグランジン関連眼周囲症)が重症であるほど,レクトミー手術成績が低下!
⇒ 将来的にレクトミーが必要そうな症例には,FP作動薬を漫然と使用しない!
・BACによる眼球結膜の慢性的炎症でもレクトミー手術成績が低下!

今回も大変勉強になりました。
レクトミー不成功が予測される場合,積極的にロングチューブシャントが行われる傾向が強くなっているようです。
PAPやBACの悪影響を鑑み,外科的手術の早期介入が推奨される時代が来るかもしれませんね。

緑内障学会は決して派手でなく,機械展示は必要最小限にて質素。
とはいえ,セミナーのお菓子やお弁当はとても美味しい! もう10年以上前,金沢での同学会セミナーの豪華海鮮懐石弁当(サザエのつぼ焼き入り)にとても驚かされた記憶が…笑。
開催地にもよりますが,参加登録者はそれなりの数であるものの,会場に人が少ない学会もあったり…..緑内障学会の会場内は人が多く,毎度のことながら本来あるべき学会の姿だなあ〜と。
来年は姫路での開催 ♪

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高用量アイリーア(EYLEA HD)

先週は,硝子体茎離断術×3(糖尿病性硝子体出血・裂孔原生網膜剥離・IOL脱臼)〜ICL近視矯正手術〜水晶体再建術(IOL強膜内固定・両眼同日・連続焦点トーリックを含む)〜iStent inject W 挿入術(緑内障)。
今週は,レーシック×4〜PTK(顆粒状角膜変性)〜水晶体再建術(両眼同日を含む)〜出張手術(笠間眼科)。
皆さん経過良好です。

先日,high-dose高用量アイリーアEYLEA HD;Regeneron社)が,滲出性加齢黄斑変性症(wet AMD)・糖尿病性黄斑浮腫(DME)・糖尿病性網膜症(DR)を対象とし,米国FDAにて承認されました。
硝子体注入量は,通常のアイリーア2mg(0.05mL × 40mg/mL)であるのに対し,EYLEA HD8mg(0.07mL × 114.3mg/mL)で,1回あたり4倍
にもかかわらず,副反応はアイリーアと同等とのこと。
薬価は上がるので導入初期の費用は増しますが,投与間隔延長による総費用および通院負担の軽減が期待されるようです。
国内での承認は未定ですが,おそらくさほど時間はかからないと思われます。

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スタジオツアー東京 (ハリーポッター)

お盆休みにハリーポッターのスタジオツアー東京 へ。


予約制のため,ほどよい混み具合。


映画さながら,階段は移動し,自分が壁面の額縁動画の中に!


魔法を疑似体験できるアトラクションも!


食事も美味しい♪

列車内は実際に乗車しているような揺れ心地。

お土産売り場もすごい!

メイキングだけではつまらないんじゃないかな〜…なんて心配は無用。
昼食を含めて7時間も滞在!
敷地面積は東京ドーム約2個分とのことですが,意外なほど疲れない。ゆっくりと見られるからでしょうかねえ〜。

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地図状萎縮に対するIZERVAY(avacincaptad pegol)

週末からお盆休みのため,今週は,水晶体再建術(両眼同日・連続焦点トーリックを含む)〜睫毛内反手術(埋没法)のみ。
皆さん経過良好です。

先週,IZERVAY™avacincaptad pegolACPアステラス社)が「地図状萎縮GA;geographic atrophy)を伴う加齢黄斑変性」の治療薬として米国FDAに承認されました。

本年2月に,SYFOVRE補体因子C3の阻害剤)がGAの治療薬として初めて承認されました。IZERVAYは2番目のGA治療薬となりますが,補体因子C5の阻害剤としては初めてです。

GA(萎縮型加齢黄斑変性;dry AMD)は,黄斑部網膜が加齢とともに萎縮し,徐々に拡大してくるもので,加齢黄斑変性の多くはこのタイプです。萎縮の進行は遅く,ゆっくりと視力が低下していくのが特徴です。
一方,滲出型加齢黄斑変性(wet AMD)において,抗VEGF療法にて滲出型病変は沈静化したものの,黄斑部網膜の萎縮病巣が徐々に拡大し,視力低下が進行してしまう症例も少なくありません。
萎縮病変の拡大をいかに早期に抑制できるかが鍵となり,このIZERVAY投与によって進行スピードが緩やかになることが立証されています。

いずれも黄斑部網膜の萎縮が治癒するわけではありませんが,進行のスピードを鈍化させることは確かです。
国内での早期承認を期待しましょう!

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バビースモ発売1周年

今週末は,バビースモ発売1周年記念講演会に出席のため高輪へ。

バビースモは…
・世界74ヵ国で承認済
・DR発症: Ang-2↗ ⇒ ペリサイト(血管周皮細胞) loss ⇒ MA発生
★このAng-2を抑制することで,DRおよびDMEを抑制!
・血中のVEGF濃度を下げない ⇒ AMI・CIのリスクが低い
・某大学では,バビースモ硝子体注射を行うことを「バビる」と呼ぶそう….
・AMDにおいて,アイリーアと比較し非劣性
・全身・局所ともに副反応の頻度が低く,非常に使いやすい

RVOへの適応拡大,さらにプレフィルドシリンジの早期登場を期待!

 

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