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Light Adjustable Lens(LAL)

先週火曜は出張白内障手術。
水曜はレーシックPTK眼瞼内反手術翼状片切除術
木曜は硝子体茎離断術(黄斑前膜・増殖糖尿病網膜症)〜水晶体再建術(二焦点を含む)。
今週火曜も出張白内障手術。
水曜は硝子体茎離断術(裂孔原性硝子体出血・BRVO硝子体出血)〜水晶体再建術(EDOFシンフォニーを含む)。
木曜はレーシックPTK眼瞼下垂手術
金曜はICL挿入術水晶体再建術(EDOFシンフォニーを含む)。
皆さん経過良好です!

本日は、Light Adjustable Lensについて。
先月、同レンズ(RxLAL、RxSight社)が米国FDAに承認されました。眼内に挿入してから度数を変更しようというコンセプトのもと、光感受性のあるシリコーンmacromerが光学部に埋め込まれたIOLです。術後数週で、屈折状態によりIOLの一部分に近紫外線照射を施行します。照射された部位のmacromerは重合してpolymerとなるので、macromerの濃度が不均一となり、非照射部のmacromerが濃度勾配に従って照射部に移動します。さらにその翌日にレンズ全体を照射することにより、それ以上度数が変化しないようlock inします。
球面度数ズレだけでなく乱視も矯正可能であり、術後の屈折誤差が解消できるという他にはないメリットがあります。デメリットとしては、やや大きめの切開創が必要であること、術後近紫外線照射まではUV保護眼鏡の装用が必要であること、が挙げられます。

LALに関しては15年前に論文発表されており、かなり歴史のあるIOLです。当初はそのユニークな発想に感銘を受けましたが、まさかFDA認可にまで至るとは思っていませんでした。
調節可能IOL然り、米国はEUとは大きく異なる傾向にあるため、はたしてLALが本邦でどの程度広まるか……近紫外線照射装置であるLight Delivery Device (LDD)も必要となるのが最大のネックかもしれません。

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添付文書

先週は硝子体茎離断術(裂孔原性網膜剥離・増殖糖尿病網膜症)〜水晶体再建術
今週は硝子体茎離断術(裂孔原性網膜剥離・黄斑前膜)〜水晶体再建術
いずれも経過良好です。

今週末は網膜硝子体学会へ出席するため有楽町の国際フォーラムへ。
網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)の治療、そして抗VEGF薬硝子体注射の合併症のセッションを興味深く拝聴しました。
BRVOに伴う黄斑浮腫の治療法としての第一選択が抗VEGF薬硝子体注射であることは統一された見解だと思います。しかしこれをいつまで継続するのか……BRIGHTER試験ではレーザー併用の有無は視力予後に影響を与えないとされます。しかし、抗VEGF薬だけでは何年経っても再発を繰り返す人も少なからずいますし、長期的な医療費削減という意味でも局所レーザー併用の手間を惜しむべきではないと考えます。

また、硝子体注射の反復は細菌性眼内炎のリスクを増大させます。最近では、術前点眼も滅菌ドレープもせず、患者にマスクを装着させ、ヨウ素系洗眼殺菌剤を眼瞼内にたっぷりと浸した状態で注射を行う施設もあるようです。要は注射をするまさにその瞬間を無菌状態とすることが重要なので、この方法でもおそらく大丈夫なのでしょう。

会場の質疑応答でも述べられていましたが、問題は添付文書です。
アイリーアの添付文書を例にすると……
・硝子体内注射は、無菌条件下で行うこと.(手術用手指消毒を行い、滅菌手袋、ヨウ素系洗眼殺菌剤、滅菌ドレープ及び滅菌開瞼器等を使用すること.)
・本剤投与前に、十分な麻酔と広域抗菌点眼剤の投与を 行うこと.(広域抗菌点眼剤は本剤投与 3 日前から投与後 3 日まで投与すること.)
と明記されています。

添付文書を無視して何か問題が起きた場合、弁解の余地はないでしょう。
抗菌薬の汎用に伴う耐性菌の増加も問題ですが、添付文書が改訂されるまでは、当院では3日前からの抗菌薬点眼および滅菌ドレープを当面継続したいと思っています。

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Beaujolais

先週はレーシック硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術(トーリックを含む)。
今週はレーシック眼瞼下垂手術〜水晶体再建術(EDOFシンフォニー・二焦点を含む)。
いずれも経過良好です。

昨日はBeaujolais nouveau解禁日。
昨年も解禁日に購入しましたが、あれからもう1年…..年を取るにつれ1年が早すぎて困ります…。
昨年と全く同じ銘柄(Jean-Charles PIVOT prestige)を購入。今年も当たり年のようです!

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JSCRSレーシック情報

今週水曜は硝子体茎離断術(増殖糖尿病網膜症)〜水晶体再建術
木曜も硝子体茎離断術(糖尿病性硝子体出血)〜水晶体再建術
金曜は水晶体再建術(多焦点を含む)を施行し、いずれも経過良好です。

JSCRSのレーシック情報が更新されました!

前向き研究
対象は国内の42施設(当院を含む)、15,011症例
術後の平均裸眼視力は1.41平均矯正視力は1.51、目標度数に対して±1D以内が96%
術後感染症などの重篤な合併症を1例も認めず

後ろ向き研究
対象は国内の45施設、71,089症例
裸眼視力1.0以上の症例が96%矯正視力1.0以上の症例が99%
予測性が±0.5D以内の症例が94%、屈折変動が1.0D以内の症例が97%
術後感染症などの重篤な合併症を1例も認めず

以上のように、レーシックの高い安全性と有効性が実証されています。
詳細はこちらをご参照下さい。

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秋の臨眼

先週はレーシック水晶体再建術(多焦点を含む)〜翼状片切除術
今週木曜に水晶体再建術(トーリック・多焦点を含む)。
皆さん経過良好です。

週末は臨床眼科学会へ。
雨にも負けずランチョンセミナーの発券時間に合わせて朝7:30に行くとすでに長蛇の列…(>_<)。
相変わらず臨眼の人気は高く、参加者は4日間で9,000名とのこと。でも並列で14会場での講演はやや詰め込みすぎ…体は1つですから…(^^;)。
年々増加しているインストラクションコースは玉石混淆であり、もっと厳選した方がよいと感じました。

ポスターの紙パネル展示は完全廃止。これはいいですね〜。
ASCRSのように、e-posterとして自宅など会場外でものweb閲覧可能・web上にて演者へ質問メールを送信可能・得票結果も同時閲覧可能、となればさらに良いと思います(何年も前からそのようにしているASCRSは改めて凄い!)。

少し気になった内容は、OCT angiographyEDOF IOLでしょうか。
OCT angiographyの性能は徐々に向上しつつあり、もしかしたら(運が良ければ)H30年の診療報酬改定時に保険収載されるかもしれない、とのこと。
EDOF(Extended Depth of Focus)IOLは多焦点IOLの仲間でありながら、グレアハローがない・コントラスト感度が単焦点と変わらないことが売りの、遠方〜中間を重視したIOLです。詳細はまた後日。

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