硝子体手術」カテゴリーアーカイブ

FineVision Triumf(3焦点+EDOF IOL)

今週は,硝子体茎離断術(DR-ERM)〜水晶体再建術(PanOptix3焦点を含む)〜眼瞼下垂手術〜出張手術(笠間眼科)。
皆さん経過良好です!

当院でのPanOptix(3焦点)術後症例の経過はとても良好で,先進医療特約に加入している方にはお勧めのIOLです。
一方,海外ではPanOptixよりもさらに次世代のIOLが登場しています。9月にパリで開催されたESCRSにて,世界最先端の3焦点+EDOF IOL(FineVision Triumf,PhysIOL社)に関するセミナーが共催され,長蛇の列で入場制限になるほど大変話題だった様子。すでに安定した良好な臨床成績も発表されています。
焦点深度拡張&3焦点(+1.75D・3.5D加入),疎水性アクリル素材,グリスニングフリー色収差補正光学的ロス9%,とほぼ完璧なIOLですが,一体どこまで進化するのでしょうか…?
当院では2013年の開院当初から自費診療にて3焦点IOL手術を行っていますので,当然ながらこのFineVision Triumfも即採用し,すでに手術予定が入っています!

週末は医師会の研修会にて旗の台へ。
「働き方改革」「職員のメンタルサポート」「ストレスに対する漢方薬の応用」「治療と就労の両立支援」「オフィスワーカーの健康管理 」「職場健康管理の実例」「復職支援・就業配慮の実際」など,7時間の座学。

内職をしつつも……職場健康管理(結核)の内容には興味津々。
結核は世界人口の1/3が感染!?(感染しても発症するのは10%未満)
国内でも結核の新規患者は依然として減りませんが,現在の国内感染源は主にアジア諸外国出身者からとのこと。インフルエンザが季節に関係なく夏でも流行するのと同じですね。
ここ数十年間で治療方針にはほぼ変化なく,3剤もしくは4剤の多剤併用療法(学生時代と同じ)で根治可能。多剤耐性菌でない限り,結核は恐れるに足らず,とのこと。

非結核性抗酸菌はお風呂場などの水回り(特にシャワーヘッド)に多く存在するため,長時間のため湯は推奨しないとのこと。人から人へは感染せず。健診で偶然見つかった場合,INHを6ヵ月間内服しつつ,内服開始後2週間で復職可。従業員が結核に罹患した場合,感染源が特定されない限り労災認定は難しく,またQuantiFERONを用いての他従業員のLTBI(浅在性結核感染)チェックも重要。

さらに,うつ病の労災認定の難しさ・復職の時期など。北欧では経済的損失の主要因とのことで,先進的なサポートがなされているようです。
先週とは一変し眼科学とはほど遠いものの,とても勉強になりました。

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PanOptix

先々週は, レーシック水晶体再建術(両眼同日・二焦点・EDOFを含む)〜眼瞼内反手術〜出張手術(二の宮眼科)
先週は, ICL近視矯正手術〜硝子体茎離断術(PDR-VH)〜水晶体再建術(両眼同日・二焦点を含む)〜出張手術(鉾田病院)
先週は,水晶体再建術(両眼同日・LASIK後・2焦点・EDOFを含む)。
皆さん経過良好です!

週末は臨眼にて京都へ。
・Surgical retinaのsession。CRAOに対しdisc上にてt-PA動脈内注入…素晴らしいとは思いますが,リスクが高く,一般には普及しないでしょうね。
・最新の医療機器なども色々と拝見。光眼軸がついた前眼部三次元OCT(アンテリオン),精度も全く問題ないようです。All in oneの時代。
・国内初のEDOF(焦点深度拡張)型コンタクトが登場するも,まだまだ改良の余地あり。
・ICL挿入後10年以上経過し,白内障手術時に摘出したICLの電子顕微鏡精査。摘出ICLに混濁は全く認められず,素材であるコラマー(HEMAを主成分とする含水性ポリマー)の生体安定性が改めて実証。
PanOptix(アルコン社)が3焦点IOLとしては本邦で初めて本年2月に認可され,臨眼期間中の10/25(金)に国内販売が正式開始。26(土)夜はHYATT REGENCYでの発売記念レセプションに参加。先進医療適応のため,PanOptixのプチバブルが到来するでしょうが,先進医療がいつまで続くかの答えはまだ見えず…。

金土は,朝から晩まで,最新の情報・医療機器など大変勉強になりました。
日曜は早朝からJSCRSの会議に出席し,終了後すぐに帰路へ。
今年3度目の京都,また12月にも行く予定です!

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Preperimetric glaucoma(PPG・前視野緑内障)

今週は, 硝子体茎離断術(近視性網膜分離(MHRD合併)・BRVO-VH・AMD-VH)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜出張手術(笠間眼科)
皆さん経過良好です!

昨夜は某緑内障点眼薬の発売3周年記念講演会に出席。
前視野緑内障preperimetric glaucoma・PPG)〜早期緑内障の黄斑部OCT
⇒Temporal raphe signの有用性を改めて再確認
・PPGの50%は15年で早期緑内障へ発展
⇒つまり50%は緑内障にならないという事実…..経過観察が非常に重要!
・緑内障術後のischemic blebにおける細菌性眼内炎の数例報告
⇒私は積極的に濾過手術や流出路再建術を行っていますが,少しischemicくらいでないといずれ眼圧が再上昇してくることがあるため,あえてischemic blebとする症例も少なくありません。多少のoozingはあったとしても緑内障術後眼内炎など起きた経験はなく,頻発するものではないはずなのですが…..なぜそんなに量産…?


やっぱり朝食はブッフェよりも和食…笑。

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開院6周年

先週は, レーシック硝子体茎離断術(黄斑円孔・DR-VH)〜水晶体再建術(EDOF・2焦点を含む)〜出張手術(鉾田病院)
皆さん経過良好です。

週末は早朝からゴルフ。気が置けない旧友と語らい,気分もリフレッシュ。
 
そして今日は「TABLE」にてランチ ♪

本日,早いもので開院6周年を迎えました!
診察券番号41482のユニークIDを本日発行し,開院後6年間で4万1千人強の新規患者様にご来院頂いたことになります。受診されたすべての患者様、そしてスタッフに日々感謝です。

今後も引き続き,個別化屈折矯正手技ISEE治療レーシックICLオルソケラトロジー)〜三焦点EDOFプレミアム白内障手術硝子体手術(MIVS)〜緑内障手術(MIGS)〜眼瞼下垂手術斜視手術抗VEGF療法など,最先端かつ最良のテーラーメイド医療を提供し続けます!

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FineVision HP(疎水性・ glistening-free)

先々週: ICL近視矯正手術水晶体再建術(EDOFを含む)。
先週: 硝子体茎離断術(RRD)〜水晶体再建術(両眼同日を含む)〜出張手術(笠間眼科)
今週: 遠視レーシック水晶体再建術〜出張手術(鉾田病院)
皆さん経過良好です!

当院では,約6年前の開院以来,最先端の白内障手術をご希望の方には自費診療にて3焦点親水性アクリル眼内レンズFineVision・PhysIOL社)を挿入しています。このIOLがさらに進化したFineVision HPHydrophobic & Physiological・疎水性アクリル)が発売されています。

1999年に発売されたHydroview®(親水性アクリルIOL・H60M・Bausch&Lomb社)において,カルシウム沈着による光学部混濁をきたす症例が多発しました。原因はシリコーン製ガスケットとされ,2001年後半にガスケットの材料がシリコーンからパーフルオロエストラマーに変更されました。しかしガスケット変更前の挿入例において遅発性に混濁をきたす症例もあり,世界中でIOL摘出を要する症例が続出したため,当然ながら現在は発売されていません。この事件が親水性IOLのイメージダウンにつながり,特に保守的な考えの強い日本では,多くの眼科医が親水性IOLアレルギーとなったようです。

親水性のFineVisionはヨーロッパのみならず世界中で広く普及しています。混濁の報告は世界で数例のみであり,いずれの症例もIOLの素材自体に問題があるとは認識されていません。高い安全性と患者満足度(術後メガネは全く不要)から,近年では本邦でも使用するDrが増加しつつあります。

一方,疎水性アクリルIOLなら絶対に安全かというと決してそうではなく,やはり混濁が起きることがあります。疎水性アクリルIOLは,生体内で温度が上昇するとポリマー内の含水率が増加し,温度が下がると析出した水分がポリマー内の空洞に貯留します。数〜10μmの水粒子がIOL光学部全体に生じたものはglisteningと呼ばれ,通常は視機能低下は生じにくいとされるものの,なかには視機能低下症例も報告されています。特にある特定の疎水性アクリルIOLは混濁しやすいことが以前から報告されていましたが,製造工程の改良により,現在これらの発生は軽減されているようです(当院では当該IOLを使用していません)。
FineVision HPは特殊な疎水性アクリル素材を使用しているため,このglisteningの発生が完全に抑えられています(100% glistening-free)。

以上から,親水性にせよ疎水性にせよ,FineVisionの累計挿入症例数はさらに飛躍的に増加するでしょう。
6年前の選択は正しかった,と考えています!

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