緑内障手術」カテゴリーアーカイブ

N Engl J Med

先々週:レーシック水晶体再建術(両眼同日・多焦点5件を含む)〜翼状片切除術〜出張手術(笠間眼科)。
先週:水晶体再建術(PTK後・EDOFを含む)〜出張手術(二の宮眼科)。
今週:ICL挿入術レーシック硝子体茎離断術(PDR)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜眼球内容除去術(絶対緑内障での角膜穿孔)〜出張手術(鉾田病院)。
皆さん経過良好です!

先週末は臨床眼科学会に出席。あまりトピックはなく、総括的な講演を拝聴。
レギュラトリーサイエンスに関するシンポジウムではPMDA理事長自らがご講演され、模範的な臨床研究の実例として、京都府立医大での「水疱性角膜症に対する培養角膜内皮細胞移植」を挙げられていました(2年前に当ブログにて掲載した「不可思議なROCK inhibitor」の内容です)。本年3月にN Engl J Med誌にその有用性が報告され、医師主導治験として現在進行形とのこと。

これまでN Engl J Med誌に国内の眼科グループで掲載されたのは下記5篇のみ。
・重症眼表面疾患に対する角膜上皮幹細胞移植(坪田先生・慶應大;1999年)
・培養自己口腔粘膜上皮細胞シート移植による角膜再生(西田先生・大阪大;2004年)
・増殖糖尿病網膜症における網膜血管新生因子としてのエリスロポエチン(高木先生・京都大;2005年)
・黄斑変性に対するiPS細胞由来網膜色素上皮細胞シート移植(万代先生・理化研;2017年)
・水疱性角膜症に対するROCK阻害薬を用いた培養角膜内皮細胞注入(木下先生・京都府立医大;2018年)

本庶佑先生の「nature誌、science誌の9割は嘘。10年経ったら残って1割」は言い得て妙ですが、N Engl J Med誌の掲載論文に関しては、時が経っても色あせずおよそ真実が多いと思われます。

常識は覆るもの。時が経ち、過去の常識を科学が覆したとき、やはり「嘘だった」とは言えません。とはいえ、さすがにSTAP細胞の「嘘」が覆えることはないと思いますが……。

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開院5周年

台風一過の本日、開院5周年を無事迎えることが出来ました!
診察券番号35224を昨日発行し、開院後5年間で3万5千人強の新規患者様にご来院頂きました。受診されたすべての患者様、そしてスタッフに日々感謝です。

これからも引き続き、個別化屈折矯正手技ISEE治療レーシックICLオルソケラトロジー)〜プレミアム白内障手術硝子体手術(MIVS)〜緑内障手術(MIGS)〜眼瞼下垂手術斜視手術抗VEGF療法など、最先端かつ最良のテーラーメイド医療を提供し続けます!

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MIGS devices

先々週:硝子体茎離断術(PDR)〜水晶体再建術(トーリックを含む)。
先週:硝子体茎離断術(RRD)〜水晶体再建術(EDOF・matureを含む)〜出張白内障手術(鉾田病院)。
今週:ICL挿入術レーシック硝子体茎離断術(ERM・PDR)〜水晶体再建術(EDOFを含む)〜眼瞼挙筋短縮術(眼瞼下垂)〜出張白内障手術(笠間眼科)。
皆さん経過良好です!

週末は製薬会社主催講演会に出席するため都内へ。

MIGS(micro-invasive glaucoma surgery)に用いられるshunt deviceは続々と世に出ています。
iStent(Glaukos)・CyPass Micro-Stent(Alcon)・Xen Gel Stent(Allergan)のみならず、本年6月にiStent inject(Glaukos)、先月にはHydrus Microstent(Ivantis)もFDAに認可されました。
さらにiDose(Glaukos)やiStent Supra(同)もFDA承認待ちの状態です。


そして今週、過当競争となりつつある状況の最中、Alcon社がCyPass Micro-Stentの世界市場から撤退する意向である、と発表されました。理由は、5年間の中期臨床成績において白内障単独手術と比較し有意に角膜内皮減少率が高いことが判明したためです。脈絡膜上腔に触れることに消極的な眼科医は少なくないと思われ、撤退は必然だったのかもしれません。
MIGSは眼圧下降に限界があるものの、簡便性と安全性が売りです。その原点に回帰すれば、生き残るデバイスは…自明かもしれませんね。

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iDose

先週火曜は出張白内障手術(笠間眼科)。
水木で睫毛内反手術(埋没法)〜眼瞼内反手術(眼輪筋縫縮)〜水晶体再建術(多焦点を含む)。
今週火曜は出張白内障手術(二の宮眼科)。
水金で硝子体茎離断術(RRD・PDR)〜水晶体再建術(LASIK後・多焦点を含む)〜翼状片切除術。
いずれも経過良好です。

週末はミケルナ発売1周年記念講演会出席のため虎ノ門ヒルズ、そして御殿山へ。

講演会のclosing remarkでも眼内DDSに関してほんの少しだけ触れられていましたが、iStent(Glaukos社)がシュレム管に挿入するshunt deviceであるのに対し、iDoseは繊維柱帯に固定する薬剤徐放device(1.8mm×0.5mm)です。
本日はこのiDose(injectable drug delivery implant・同社)について。

内部にreserseされたトラボプロスト(緑内障点眼薬のPG製剤)がゆっくりと徐放される仕組み。米国のphase Ⅱ trialでは、1年間の経過観察において30%眼圧下降の継続を示し、古くからある緑内障点眼薬のチモロール(β遮断薬)連日点眼に対し非劣性との報告。
つまり「最低1年間は点眼薬を減らすことが可能」となるわけです(実際にはもっと長期間有効)。毎日必ず同じ時間に点眼を継続することは患者さんにとって負担が大きく、数年毎の入れ替え手術の必要性を考慮しても、特にアドヒアランス不良の症例にとっては利点が上回ると考えられます。
数年内にFDAで認可されると考えられ、となれば国内でもすぐに認可されることでしょう。

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手術学会@京都

先週火曜は出張白内障手術(笠間眼科)。
木金曜は緑内障手術(線維柱帯切除術)〜水晶体再建術(EDOF・トーリックを含む)。
今週火曜は出張白内障手術(鉾田病院)。
水曜はレーシック硝子体茎離断術(裂孔原性網膜剥離)〜水晶体再建術眼瞼下垂手術。
木曜は硝子体茎離断術(黄斑前膜)〜水晶体再建術(トーリックを含む)。

今週末は第41回眼科手術学会総会出席にて京都へ。
今週は関東でも雪。1月の京都ですから覚悟はしていましたが、やはり寒いっ…。

眼科手術学会は眼科手術全般のup to dateな話題を提供してくれる由緒正しき学会です。昨今の日眼との政治闘争にてここ数年は出席者が減少傾向にあり、今回もやや空いていました。日眼や臨眼は激混みすぎて、立ち見してまで拝聴するほどの内容じゃなかったなあ…と後で思ったりすることもしばしば。
体は1つしかないので、1日で吸収できる量は所詮決まってます。ちょっと空いていた方が疲れないので、私的意見としてはむしろこのくらいの方がちょうどいいかも(^^;)。

興味深かった内容の一部について。

iStent:
・徐々に広まりつつあるものの、当初の予定よりあまり普及していない。暫定的な保険点数の影響もあり、2018年度の保険診療点数改定にて正規の点数が加わる見込み。
・ Hookによる繊維柱帯切開術と比較し、術後眼圧降下が不良との報告あり。ただし、術翌日の前房出血などの合併症がないのは非常に有利な点。長期的にゆっくりと眼圧降下が得られてくる症例もある。

上眼瞼形成術:
・ 眼瞼皮膚弛緩症手術の際、通常の眼瞼縁切開では外側にやや弛みが残るが、重瞼となるため傷跡の瘢痕は問題ない。眉毛下切開では外側の弛みは残りにくいが、傷跡の瘢痕が目立つことも多く要注意。
・ 瞼の浮腫みの原因は筋肉の脂肪変性。治療は眼輪筋前後面の脂肪を剥離除去。
・ 眉毛下垂(顔面神経麻痺後)では眉毛上皮膚切除が有効だが、眼窩上神経内側の浅層枝の損傷に要注意。

黄斑円孔でのInverted ILM Flap Technique(内境界膜翻転法):
・ 非閉鎖黄斑円孔に対する再手術時にILM free flapを一時留置させる手段として、ビスコートの網膜面塗布は有効。円孔に埋め込んだら、PFCLにて延ばすとさらに有効。
・ 水晶体前囊・後囊の自己移植は、将来的に水晶体上皮細胞増殖の可能性から、推奨されない。
・ ILMでなく、円孔底に対する網膜自己移植の臨床研究も進行中だが、長期予後は全く不明。

EDOFについての詳細はまた明日。

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