強度近視に対する治療選択

前回の続きで、強度近視に対する治療選択の考え方です。
オルソケラトロジーは軽度〜中等度近視に対してまでの適応で、強度近視に対しては適応外ですので、最初から選択肢に入りません。
キーワードは「レーシック・有水晶体眼内レンズ(phakic IOL)・透明水晶体摘出交換(RLE)」です。

基本的にすべて保険外診療となりますが、どれを選択しても間違いではありません。
どれにするかは患者さんの自由ですが、とはいっても患者さんは自分では決められませんよね。
では何で決めるかというと、年齢、近視度数、そして金額、となります。

まず年齢ですが、若い順に、レーシック・phakic IOL・RLE、となります。

逆に度数としては、近視の強い順に、RLE・phakic IOL・レーシック、となります。

金額は、安価な順に、レーシック・RLE・phakic IOL、でしょうか。
以前はレーシックは高額でしたが、今や両眼で10〜20万円です。自由診療の美容形成手術からみると、決して高額ではなく、むしろ非常に安価だと思います。

レーシック適応外の強度近視では、phakic IOLは非常に有用です。
問題は価格ですね。価格を気にしないのであれば、phakic IOLを選択し、老眼が出てきたら二重焦点眼内レンズにてRLEを施行、これは贅沢かつ有用です。
http://www.satouganka.com/icl/
まだ初期のレーシックと同等の価格ですが、今後は徐々に価格が下がってくると考えられます。しかし、価格が下がるにはまだ少し時間がかかりそうです。

どれも有用な術式ですが、近視の患者さんは非常にたくさんおり、強度近視も増加しています。これらの手術を保険適応にしたら国や保険者が破綻してしまうので、今後も保険適応になることはなさそうです。

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