3・11

ちょうど3年の月日が経ちましたが,震災時の記憶は鮮明に残っています。
2011年3月11日午後は出張手術中でした。午後2時30分〜10件の予定で,2件目のちょうど洗眼をしたあと,顕微鏡を覗いていざ手術を始めようとしたその時にぐらっ,と…それから揺れは悪化する一方で,停電となりパニック。慌てて開瞼器を外し,患者さんをガードしつつも,何も出来ない状況でした。一旦揺れが収まった際に暗闇の中で患者さんを全員外へ誘導。出張先のクリニック内を見て唖然…状況がよく把握できませんでした。外に出ると,隣りのコンビニの棚の崩落,信号の停電,道路のうねり,壁の崩落,そして余震…もし手術を行っている真っ最中だったとしたら…本当に不幸中の幸いです。2件目以降の手術はすべて延期とし,再度仕切り直しとなりました。
自宅へ帰るにも常磐道は全線通行止め。停電中の国道6号の大混雑は容易に想像できましたので,一般道の裏道で自宅へ。ラジオにて事の重大性を把握しつつ,帰路途中に一般家屋の損壊・全壊をみて不安な気持ちでしたが,つくば市内へ戻るとなんと信号が普通に…コンビニに電気が!同じ茨城県内でもこんなに違うものかと思いしらされました。
当時勤務していた主病院の被害も甚大でした。壁の崩落は勿論のこと,本館オペ室からは空が垣間見え(本当!),全科すべての入院患者は退院もしくは転院。完成間近の新館にも被害が及び,もはやこれまでか…とも思いましたが,そこからの復興がすごい!3日後には緊急避難的に新館で外来診療を再開し,野戦ベッド上にて抗VEGF薬硝子体注入も施行。その後オペを再開したのは眼科が最初です(もちろん私!)。ガソリン給油が難しいため,他科Dr5名と学生のように乗り合いで凸凹道を通勤した2週間は,今となっては良き思い出です。

あれから3年。今日の同時刻もやはり手術でしたが,勿論何事もなく無事終了。
帰り道に寄ったSAの駐車場は,大型バスで一杯。よくみると,すべてハワイアンズ帰りの高速バス!最近のハワイアンズは増収増益ですごいそうです。
3年という月日が流れている証拠ですね!

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