白内障手術」カテゴリーアーカイブ

眼内レンズ 海外と国内の違い

今週は、エキシマレーザー治療的角膜切除術(PTK)白内障(水晶体再建)手術を行い、すべて経過良好です。

執筆を担当した総説「眼内レンズ 海外と国内の違い」が刊行されたので、内容の一部をほんの少しだけご紹介します。
総説1まず、眼内レンズ(IOL)の素材として世界中で最も使用されているのは、疎水性アクリルです。日本では次いでシリコーンですが、これは欧州ではほぼ使用されていません。欧州の大規模studyにて、シリコーン製IOLでは術後細菌性眼内炎のリスクが上昇すると報告され、欧州ではその考えが定着しています。
一方、欧州ではポピュラーな親水性アクリルは日本では全く使用されていません。そもそも、日本では承認されている親水性アクリルIOLが存在しません。十数年前に、Hydroviewという親水性IOLが術後に白濁するという大問題が、日本を含め世界中で起きました。保守の強い日本では、この件以降は親水性IOLに対する強いアレルギーが出てしまったようです。
その他にも、IOLの着色度(透明か黄色か:日本では黄色が好まれる)、光学部径(IOLの大きさ:日本では大きめが好まれる)など、海外とは明らかな違いがあります。

多焦点などのプレミアムIOLに関しては、その差がさらに歴然です。
老視矯正IOL 欧州では40種類以上の多焦点IOLが認可されていますが、Alcon社のレストアが国内使用停止中であることも加担し、現時点で使用可能な国内承認多焦点IOLはわずか3種類のみです。乱視矯正付き多焦点に限っては、現時点で国内で使用可能な承認IOLはゼロです。
さらに、欧州では多焦点のうち1/4のシェアを三焦点が占めています。三焦点をはじめとしたプレミアムIOLは、発展途上のアジア諸国においても急速にシェアを拡大しつつあるようです。
高い安全性を保持するために国内の承認が慎重であることは評価できますが….それにしても海外との差がありすぎますね。

来週はレーシック白内障(水晶体再建)硝子体手術の予定。頑張ります!

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 ブログ 本日も視界良好!のトップページ

鼻涙管ブジー(先天鼻涙管閉塞)

研究学園の住民の平均年齢が比較的若いためか、当院には新生児・乳児も非常に多く受診されます。本日は生後間もない赤ちゃんによくみられる先天鼻涙管閉塞について。

涙腺から分泌された涙液の大部分は、瞬きによって上下涙点⇒涙小管⇒涙嚢⇒鼻涙管⇒鼻腔、そして咽頭へと流れます。目薬をさして苦みを感じるのはこのためです。ブジー1

生下時よりこの経路のどこかが閉塞していることがありますが、ほとんどの場合は鼻涙管の膜様閉塞(先天鼻涙管閉塞)です。生後間もなく〜1ヵ月以内に流涙や眼脂などの症状がでます。慣例的にマッサージを推奨されることがありますが、これで完治することは稀で、むしろ症状を長引かせてしまいます。

治療は比較的簡単で、下記のような鼻涙管ブジー(柔らかい針金のような器具で内腔の膜を破る)を施行します。生後1〜2ヵ月の赤ちゃんを押さえつけながらの治療なので、院内が一時的に小児科の予防接種時のような状態となることはやむを得ません(^^;)。
ブジー2通常は一度行えば再閉塞することはなく、流涙や眼脂もすぐに消失します。先天鼻涙管閉塞と診断されたら、速やかにブジーを受けることをお勧めします。

中高齢になってから鼻涙管狭窄となることもあります。その際にも乳児と同様に涙道ブジーを行いますが、そのままでは100%再発してしまいます。よって中高齢者の場合には、再狭窄の予防目的にてシリコンチューブを留置し、数ヵ月後に抜去するのが一般的な治療法です。

来週の当院の予定手術は、有水晶体眼内レンズ(ICL)挿入術水晶体再建術硝子体茎離断術と、内容が盛り沢山。頑張ります!

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 ブログ 本日も視界良好!のトップページ

InnFocus Microshunt

先週末は名古屋で開催された第26回日本緑内障学会に出席しました。緑内障学会も徐々に規模が大きくなりつつあるようで、会場内は非常に多くの来場者で賑わっていました。
最先端の内容を取り入れるべく、最近はなるべく専門別の学会に参加するように心かげています。水晶体・眼内レンズ・屈折矯正関連は6月のJSCRS総会、緑内障は9月の緑内障学会総会、網膜関連は12月の網膜硝子体学会総会、といった感じです。それぞれ特化した専門学会ですから、内容のレベルは高く、非常に勉強になります。

以前も触れましたが、shunt deviceを用いたMIGSmicro-invasive glaucoma surgery)は緑内障手術の主流となりつつあります。 特にiStentをはじめとした流出路再建術は、著しい高眼圧症例にはあまり有効ではありませんが、その低侵襲・手術の簡便さゆえに本邦での認可が期待されています。image01
今回の学会で、InnFocus Microshuntに関する発表は話題の1つでしょう。これもshunt deviceの1つですが、流出路再建でなく、通常の濾過手術の延長線上にあるものです。iStentほどの簡便さはありませんが、強膜flapを作成しないという大きなメリットがあります。2012年にCEマークを取得、FDAではphase Ⅰ trial中。日本ではもちろん未承認ですが、国内でも10例を目標にこのdeviceのpilot studyが行われているそうです。結果としては、術後半年で追加手術の必要な症例が出ており、その原因はやはり内腔閉塞。評価を下すのにはまだ時期尚早のようなので、今後の長期経過報告が期待されます。

本日午後はオペ。シルバーウィーク前のため、控えめに白内障手術(水晶体再建術)のみ6件。
連休明けの24(木)25(金)は、レーシック眼瞼下垂手術白内障手術(水晶体再建)硝子体手術(硝子体茎離断)と盛り沢山です!

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 ブログ 本日も視界良好!のトップページ

秋の学会シーズン

先週はレーシック白内障手術(水晶体再建術)硝子体手術(硝子体茎離断術)を施行し、みなさん経過良好です!今週末は学会出席のため内眼手術を制限し、レーシック眼瞼下垂手術と控えめです。
HOYA社に新しい硝子体鉗子のデモンストレーションを依頼され、特発性黄斑前膜の硝子体手術で実際に試用しました。
ERM剥離 ILM剥離

まず黄斑前膜(網膜前膜)を網膜から剥がします。さらに内境界膜(ILM)を剥がすことにより、黄斑前膜の再発を予防できます。非常に使いやすい鉗子でスムーズに手術終了!
実際の手術動画は、10月に開催される第69回日本臨床眼科学会にて放映予定です。

本日は火曜休診日にて、いつもの如く午後から出張手術へ。そして夜はホテルベストランドでの「研究学園医療懇話会」にて、「全身疾患と続発性緑内障」と題した依頼講演を行ってきました。他科の先生方の予想外の食い付き…いやはや質問の多さに驚きです(^^;)。

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 ブログ 本日も視界良好!のトップページ

晩夏

残暑お見舞い…とはいかず、8月下旬にしてはかなり涼しい先週末はまつりつくばIMG_2011
例年は8月最後の土日ですが、今年は1週間前倒しでした。相変わらずの賑わいで、今年は2日間で50万人近い人出だったかもしれません。チーズスティックのテキ屋に長蛇の列が…確かに美味しそうでしたね(^^)。

先週は未治療の増殖糖尿病網膜症(網膜全剥離)に対する硝子体切除術(増殖性硝子体網膜症手術)を施行。日帰り手術の限界に挑戦する難症例でしたが、術後経過は非常に良好で、患者さんにも非常に喜んで頂きました。
帰り際に先日手術したある患者さんからお手紙を頂きました。他院で左眼を手術した際と、今回の右眼の白内障手術時間(4分)および術後経過の違いに衝撃を受け、手紙を書かずにはいられなかったとのこと。
このようなお手紙は執刀医にとっても大きな喜びです。臨床経験20年間、時にこのような感謝のお手紙を頂くことがありますが、すべて机の引き出しに大事にしまってあります。特に研修医時代に頂いたお手紙を読み返すと、初心に返り、奢ることなかれと自戒することができます。

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 ブログ 本日も視界良好!のトップページ

蕎麦

今週末の土曜日は都合により代診Drによる診察のため,金曜日の内眼手術は制限。よって今週の自院での手術はレーシック眼瞼下垂・腫瘍などの外眼手術が主体です。

それにしても毎日本当に暑いですね〜。こんな時に食欲をそそられるのは「蕎麦」。
IMG_1761つくばには美味しいお蕎麦屋さんがたくさんあります。写真は「いちい」さんの揚餅そば。暑い時にあえて温かい蕎麦を…いややっぱり冬の方がベターですね…。そばがきなどメニューも豊富で,また入り口には新鮮野菜の100円均一無人売り場もあります。IMG_1835

そして,やはり「きむら」さんのお蕎麦は最高に美味しいですね。腰のある太めの蕎麦は絶品。写真は「天せいろ」と「そば定食」。ミニ天丼もお勧めです。お昼時はいつも混雑していますが,味・清潔感・雰囲気のいずれも完璧です。書いてるだけでまた食べたくなってきます(^^)。

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 ブログ 本日も視界良好!のトップページ

トリガーフィッシュ(スマートコンタクト)認証取り下げ?

さて,本日は再度スマートコンタクトに関して。
トリガーフィッシュ1昨年8月に「医療用スマートレンズ」についてご紹介しましたが,7/10付けで早くもその第一弾が国内で承認されました!AlconでもGoogleでもなく,大手コンタクトメーカーのシードです。
スイスの医療機器メーカーSENSIMED社が製造する24時間角膜曲率変動モニター機器「トリガーフィッシュ」システムは,2010年に欧州でCEマークを取得済みです。これを国内ではシードが販売することになりますが,その前段階で医療器具としての承認を得たわけです。トリガーフィッシュ2
コンタクトレンズに内蔵されたICtip内臓センサーにて、眼圧の変化から誘発される角膜曲率の動きを24時間モニター可能であり,アンテナとデータケーブル、レコーダーで構成される受信機を利用するとのことです。

眼圧には誰しも「日内変動」があり,特に進行性の緑内障の患者さんにとってはそれを把握できることは非常に有益です。1泊入院して深夜に2時間毎に眼圧を測定する,という作業を行っていた時代もありましたが,実際には患者・医療サイドの双方にとってかなりの負担となり,患者全員に行う事は非現実的です。このシステムにより24時間自動モニターによる観察が可能となれば,どれだけ有益かは考えるまでもありませんね。今後早急に臨床で使用できることが期待されます。

ところが…喜びも束の間…7/18付けで,シードはこの国内認証を取り下げたとのこと。何か重大な不具合が見つかったのでしょうか…とても残念です。

いずれにせよ,当然ながらこのレンズには屈折矯正機能はなく,以前に紹介した血糖測定と同様に生体モニタリングのみですが,老眼克服の屈折矯正機能を有したコンタクトレンズの登場が待たれます。

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 ブログ 本日も視界良好!のトップページ

夏到来

近頃は毎週硝子体手術を行っており,この2週間で裂孔原性網膜剥離・黄斑円孔・増殖糖尿病網膜症による牽引性網膜剥離の硝子体手術がありました。いずれの症例も術後数日はうつ伏せが必要ですが,トイレ・食事などは通常通りで問題なく,自宅でただ単になるべく下向きを保持してもらうことになります。特に当院では超低侵襲手術を心がけているため,入院の必要性は全くありません!

例年より2日早い梅雨明けで,いよいよ夏真っ盛りですね。連休初日は 昨年同様に家族と山へ。といっても,今年はクワガタムシも捕獲したいとのリクエストに応えるべく,知り合いの捕獲の達人に連れて行ってもらいました(^^)。
IMG_1811 IMG_1810
一般にクワガタはカブトムシより捕獲が難しいと言われますが,どうやらそれは都市伝説?
ノコギリ・ミヤマ・コクワ・カブトと合計30匹以上の収穫で,自分の幼少時代を振り返ってもこんなに捕獲できた記憶はありません。すべて達人のおかげですが(^^;)。

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 ブログ 本日も視界良好!のトップページ

エキシマレーザーによる治療的角膜切除術(PTK)

本日は、エキシマレーザーによる治療的角膜切除術Phototherapeutic KeratectomyPTK)について。
PTKとは、何らかの原因による眼の表面(角膜)の混濁に対し、エキシマレーザーを照射することで、角膜の表層から実質の一部を切除する手術のことです。角膜の濁りをすべて除去するわけではなく、視力に影響している部位の混濁を除去します。裸眼視力を良くするための治療ではなく、矯正視力の向上を目的とします。不正乱視が残る場合、レーザー屈折矯正手術の追加が必要になる場合もあります。
重篤な術後合併症はありませんが、レーザーで角膜上皮を剥離するため、術後に痛みがあります。よって上皮が再生されるまでの約1週間は、PRKと同様にコンタクトレンズを装着します。
下記に実例を供覧します。

帯状角膜変性①の術前と術翌日
PTK左ー術前PTK左ー1POD

帯状角膜変性②の術前と術翌日
PTK右ー術前 PTK右ー1POD2

劇的に改善しているのが一目瞭然ですね。エキシマレーザーを有している当院ならではの治療といえます!

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 ブログ 本日も視界良好!のトップページ

3焦点眼内レンズ(Trifocal IOL)

今週はレーシック〜眼瞼下垂手術〜白内障手術〜硝子体手術と多岐にわたり執刀しましたが、皆さん非常に経過良好で何よりです。

本日は最新の眼内レンズ(IOL)について。先進医療適応の白内障手術で用いられるIOLは、正確に言えば2重焦点(遠方と近方)のIOLです。実際にさほど自覚する方は多くありませんが、理論上は中間距離(2~3m先)はぼやけて見えることになります。
IOLの特性上、焦点を増やせばそれだけエネルギーロスとなり、つまりはコントラスト感度が低下することになります。近年、エネルギーロスが現行の2重焦点IOLと同等であるにもかかわらず中間距離の視力も良好な3焦点IOL(Trifocal IOL)がヨーロッパで発売され、日本でも広まりつつあります(Finevision, physIOL社)。FineVision_large
JSCRS総会でのこのIOLに関するセミナー会場はほぼ満席であり、注目度の高さが窺えます。

術後炎症惹起の問題にて、国内で最も使用されていたAlcon社製ReSTOR(レストア)は2015年4月中旬以降使用不可の状況です。そのため、厚労省未承認にもかかわらず、このような他の多焦点IOLにさらなる注目が集まっています。

日本で承認されている乱視矯正機能付き多焦点IOL(多焦点トーリックIOL)は、唯一ReSTOR Toric(レストアトーリック)だけです。よって乱視矯正も必要で多焦点IOLを希望の患者さんには、現状では未認可のIOLを海外から輸入することになります。このFinevisionにはトーリックIOLもline upされており、患者満足度も非常に優れているようなので、当院でも近々に使用開始することにしました。ご報告まで!

サトウ眼科 ホームページ
サトウ眼科 ブログ 本日も視界良好!のトップページ