白内障手術」カテゴリーアーカイブ

JSCRS総会

先週金曜から3日間、東京国際フォーラムにて第30回JSCRS学術総会が開催されました。
初日午後はオープンフォーラムでの講演を担当し、日本と欧米との白内障屈折矯正手術の現状の相違について、壇上にて約1時間のdiscussion。
英語でのスライド準備が大変でしたが、ASCRS・ESCRSのpresidentと一緒に登壇できることはこの上なく光栄に感じています。

夜は会長招宴(closed faculty dinner)に招待頂き出席を。大学同窓の先輩にもお会いできて、有意義な時間を過ごせました。
医療は日々進化しており、1年前のトレンドはもうすでに過去のものです。常に自ら切磋琢磨しなければいけません。面白い内容の発表もありましたが、詳細はまた後日に。

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第30回JSCRS学術総会

最近殊に忙しく、久々のブログ更新です。
来週末の6/19〜6/21に、東京国際フォーラムにて第30回JSCRS学術総会が開催されます。

2015JSCRS サトウ1

外来や手術の合間での学会準備のため、なかなか辛いものがありますね〜(^^;)。
学会での詳細はまた後日報告させて頂きます。

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緑内障発作予防としての白内障手術

今週は4日連続手術。内容も外眼・緑内障濾過手術レーシック白内障手術と多岐にわたりちょっと疲れましたが、皆さん術後経過良好で何よりです!

さて本日は、緑内障発作の治療について。
角膜裏面と水晶体前面の空間を「前房」といいますが、この前房の深さにはかなりの個人差があります。一般に、近視が強い場合は深く、遠視が強い場合は浅い傾向があります。元々前房が浅い(隅角が狭い)方が、感情的ストレス・低照明下での近見作業・服薬などにて軽度の散瞳状態となり、眼圧が急激に上昇する場合(急性緑内障発作)があります。スライド1

発作を起こすと、激しい眼痛・頭痛・視力低下・吐き気・嘔吐などの症状を呈し、夜間救急外来を受診するケースもよく見受けられます。受診せずにそのまま放置すると、永続的な視力障害を呈する場合も少なくありません。

スライド2

緑内障発作が明らかな場合、すぐに眼圧を下げるために、投薬を併用しつつ非観血的レーザー虹彩切開術を早急に施行します。
片眼に発作を起こした場合、非発作のもう片眼(僚眼)は発作予防のために同レーザー施術を施します。

スライド3

 

近年では、このレーザー施術の代わりに、少なくとも非発作眼では、白内障手術(水晶体再建術)を第一選択とすることも一般的になりつつあります。厚い水晶体を薄い眼内レンズに交換することで前房が深くなり、発作が解除あるいは予防可能となります。
将来的な白内障手術の時期を早めることで緑内障発作も予防可能となるため、まさに一石二鳥といえるでしょう。

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最大シェア多焦点IOLの国内出荷停止

眼科最大手(Alcon社)の多焦点眼内レンズ(ReSTOR:レストア)は、国内のみならず国際的に最大シェアを誇る多焦点IOLですが、2015/4/13〜出荷停止および使用中止となりました。ReSTORを用いた白内障手術症例において、術後眼内炎症例が年明けから15例報告されたため、因果関係が明らかになるまで当面の期間出荷が停止されるとのこと。現時点では明確な事は言えませんが、無菌性眼内炎が最も疑われます。
再出荷がどのくらい先になるかは不明瞭であるため、当面は他社製の多焦点IOLに切り替えることになりますが、当院ではいずれにせよ先進医療であることに相違ありません。

以前、HOYA社の単焦点IOLの一部による眼内炎発症リスクの上昇が明らかとなり、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の指導に基づき、2013年2月に対象IOLの自主回収が行われました。原因は加工途中の部品にあることが判明し、原因を除去した後に数千例におよぶ前向き調査が行われ、安全性が確認された後に再出荷にいたっています。この間、実に約1年半近くの出荷停止となりました。

Alcon社は眼科医からの信頼も厚い世界的な業界トップメーカーですから、不具合原因は早急に究明解決されることでしょう。速やかな再出荷を期待しつつ今後の推移を見守りたいと思います。

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糖尿病黄斑浮腫(DME)

週末に「DME治療の実例」と題した依頼講演を行ってきました。糖尿病を放置したり血糖コントロールが不良な期間が長引くと、網膜の中心(黄斑)が浮腫んで、視力が低下してしまう場合があります。DME(糖尿病黄斑浮腫)の治療方法として、①増殖糖尿病網膜症治療の基本である汎網膜光凝固PRP)、②トリアムシノロンのテノン囊下注射(STTA)、③抗VEGF薬の硝子体内注入(IVR or IVA)、④トリアムシノロンの硝子体内注入(IVTA)、⑤内境界膜剥離併用硝子体手術(ILM peeling)、そして⑥黄斑部マイクロパルス閾値下レーザー、が挙げられます。これらを上手に組み合わせて黄斑浮腫を軽減させ、低下した視力を回復させます。

①はDME治療の基本であり、まず行うべき治療です。ただし、網膜中心近く(黄斑部)への照射は有害となる可能性が高いため、網膜の中心付近への照射は避けるのが通例です。そこでまずトライするのが②です。眼球外へのステロイド注射にて安全性も高いのですが、網膜に間接的に効果を発揮させることになり、十分な効果が得られない場合もあります。

②で効果不十分な場合は、③ルセンティスもしくはアイリーアという薬剤を用いての眼内注射を施行します。薬品代は高額ですが、その分高い効果が得られます。スライド1

④のステロイドの眼内注入も非常に有効ですが、複数回の注射にての高率に白内障を引き起こすのが難点です。薬品代は③と比較すると安価なため、白内障手術をすでに白内障手術が済んでいる場合にはお勧めな治療法です。

③や④を施しても、すぐに再発してしまう症例もあります。そのような症例は網膜の前面に膜が張ってしまっている場合が多く、⑤その膜除去とともに再発予防として正常網膜の一部(内境界膜)も剥離するのが一般的です。現在の極小切開硝子体手術は安全性が確立されていますので、日帰りにて十分対処可能な手術です。

スライド2 ILM剥離

 

 

 

 

 

⑥のマイクロパルス閾値下レーザーは今後非常に期待される治療法であり、TOMEY製IQ577レーザーを当院で採用しているのも、このマイクロパルスモードを搭載しているためです。黄斑網膜に凝固瘢が出ない程度の弱いレーザー(正常網膜に暗点などの障害を及ぼさない程度の弱さ)を照射するもので、手術を含めて他のあらゆる治療が無効な黄斑浮腫症例に効果が期待されています。
DMEの治療成績は以前と比較して格段に良くなっていますが、それでもやはり治療に難渋する症例は存在します。その多くが全身状態が不良であったり、糖尿病を長年放置してしまった場合であり、一番の治療が血糖コントロールであることは今も昔も変わりません。

講演後は鮨処 修にて懇親会。さすが!のお寿司屋さんですね。
先週・今週は、緑内障手術レーシック白内障手術結膜弛緩症手術。皆さん経過良好で何よりです!来週も同様に緑内障手術レーシック白内障手術。頑張ります!

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スギ花粉症

先週末からスギ花粉の飛散量が急増しているため、目の痒みを訴える患者さんが非常に多くいらっしゃっています。これからしばらく続くと予想されるとのこと。嫌な季節ですね〜。
私も花粉症体質ですが、予防的投薬を開始していたため今のところばっちり!
重症化する前に、是非早めの受診をお勧めします。

本日の手術は、白内障手術水晶体再建術)、硝子体手術硝子体茎離断術)、そしてレーシックとフルコースでした。すべて順調に終了し、明日の患者さんの笑顔が楽しみです。

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先進医療(前眼部三次元画像解析)

当院では「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」における先進医療施設として認可されていますが,加えて2015年2月1日付けで「前眼部三次元画像解析」においても先進医療施設として正式に認可されました。

前眼部OCTOptical Coherence Tomography)により、角膜・虹彩・隅角・水晶体といった眼の前の部分(前眼部)の状態を、直接器械が眼に触れることなく、短時間で検査することが可能です。前眼部OCT具体的には、角膜の部分的な厚さや混濁、緑内障における隅角や虹彩の状態、水晶体の状態を画像解析し、正確な数値で表すことが出来ます。
写真は閉塞隅角緑内障症例の1例です。このように、現在のご自身の眼の状態を供覧しながら、病気の進行度合い・手術の是非などをより詳細に説明することが可能です。

また、 先進医療施設に認可されることにより、一部保険診療との併用が認められます。
詳しくは受診時に直接お問い合わせ下さい。

さて、このところ毎週硝子体手術を施行していますが、皆さん経過良好で何よりです。
来週はレーシック白内障手術硝子体手術と内容盛り沢山。頑張ります!

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はんなりと

週末に学会出席予定だったため、内眼手術は控えめとし、レーシック緑内障手術を。皆さん非常に経過良好のため、安心して第38回眼科手術学会総会に出席できました。会期中ず〜っと雪がぱらぱらと…やはりこの時期の京都は寒いですね。

興味深いものとして、新眼内レンズに関するセミナーがありました。現状の眼内レンズは移植後何十年も視覚の質を保持できますが、臨床的には問題とならない程度の材質的経年劣化はやはり避けられません。
4月に発売される純国産のこの眼内レンズ(vivinex)は、表面を特殊コーティングすることで材質の経年劣化を大幅に軽減し、後発白内障もほぼ完璧に抑制可能とのことです。
この眼内レンズの研究をスタートしたのは実は10年前とのこと。まさに継続は力なり!

手術学会学会ではコングレスバックが必ず配布されるのですが、今回は餃子型ポーチが付いたバックでした。裏にはutsunomiyagyozaの文字が…主催が獨協医大だからでしょうが…..なぜ京都で開催?

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病診連携

昨日の休診日はいつもの如く午後から出張手術へ。そして夜は「研究学園地区医療懇話会」に参加してきました。前回からもう半年…早過ぎます。
今回は耳鼻咽喉科Drによる「アレルギー性鼻炎」のお話しで、眼科にも密接に関連する内容だったため、非常に興味深く拝聴しました。今年の東日本のスギ花粉飛散量は例年より多いようです。

そして本日は、抗緑内障点眼薬(α2刺激薬)の発売2周年講演会。メインは近視と緑内障のお話しでした。
昔から近視は万病の元とされ、緑内障の危険因子でもあります。強度近親の網膜は薄く、視神経乳頭も傾斜しているため、緑内障の診断が難しい場合があり要注意です。しかし最新のデジタル機器を用いれば、その判定も以前に比較すると大分容易になりました。

病診連携のためとはいえ、今週は講演会だらけでやや疲れ気味…
明日明後日は白内障〜硝子体手術はもちろんのこと、立て続けに緑内障手術も入っています。
頑張ります!

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水晶体囊拡張リング(CTR)

白内障手術では、水晶体囊(袋)を残して濁った中身だけを吸い取り、この囊の中に眼内レンズ(IOL)を挿入します。水晶体はチン小帯(無数の細い糸)にて吊されているので、このチン小帯が弱かったり、一部切れていたりしたら、手術中にどうなるでしょうか?
IOLが挿入できない場合はIOLを直接眼内に縫い付け(縫着)なければなりません。仮にやや無理に挿入できたとしても、IOLが徐々に偏位し、いずれIOLを摘出し結局は二次的に縫着、という場合もあり得ます。
ctr-spec2 ctr-spec1
このような事態を避けることが可能な医療用具が水晶体囊拡張リング(CTR : capsular tension ring)です。一部チン小帯が断裂している症例などで術中にCTRを挿入することにより、手術の安全な遂行が可能となり、IOLの長期的な眼内安定性が保持されることになります。
CTRは20年以上前から本邦でも使用されていますが、これまで国産品がなく、個人輸入にて手に入れるしかありませんでした。韓国製・インド製などの非常に安価なCTRもありますが、ちょっと怪しいので…..私はドイツ製の由緒ある確かな品を入手していました。
IOLと同様に半永久的に眼内に留まる医療用具であるため国内認可のハードルは高いと推定され、製造販売コストが合わないことから複数の企業が過去に断念した経緯がありましたが、2014年7月に国産CTRが初めて認可されるに至っています。

散瞳不良でなおかつ術前から水晶体振盪(水晶体がプルプルと揺れている)が認められるため、IOL縫着となる可能性も高い実例です。
瞳孔拡張 CTR

 

 

 

 

 

この症例は予想通りチン小帯が約90°にわたり断裂していましたが、特殊瞳孔拡張器とCTR併用にて問題なく終了。難症例の紹介患者さんを術翌日に逆紹介することが可能なのは、このような希少医療用具の賜物といえます。

出張手術も多いため、実はいつもCTRを持ち歩いています。実際に使用する機会はほとんどありませんが、備えあれば憂い無し。お守りみたいなものですね(^^)。

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