月別アーカイブ: 2017年2月

世界基準

今週はレーシック眼瞼下垂手術〜水晶体再建術(二焦点を含む)。
皆さん経過良好です!

本日はプレオープン期間のロイヤルゴルフクラブヘ。1年を掛けてコースレイアウトは大幅に変更され、以前とは全くの別物。最長のロングホール(フルバック)はなんと705ヤード!聞いたことのない数字です…あのR.I.選手もすでに3回ラウンドしたとのこと。1日限定20組のため時間の流れもゆったり。さすが世界基準を謳うに相応しい素晴らしいコースでした。新規募集会員権価格もビジターフィーもバブル期並….こちらも世界基準に相応しい額のようです(^^;)。

世界基準=満たすべき一定の国際規格。医学領域では微妙にニュアンスが異なり、世界標準というべきでしょうか。
先日のプラケニルと同様に、世界標準と大きく異なる日本独自の治療方針・治療方法は少なくありません。眼科領域では、例えば白内障手術の切開創は耳側角膜切開が世界標準ですが、日本では約5割程度。緑内障手術として海外ではほとんど行われない繊維柱帯切開術が、日本では広く行われている。ドライアイ治療薬として欧米では免疫抑制剤がメインだが、日本ではムチンやヒアルロン酸製剤のみ。などなど、数え上げるときりがありません。理由は1つではありませんが、右へならえの保守的な思想が大きく関与しているのは確かでしょう。保険適応のない薬品は無理ですが、外へ目を向け、できるだけ世界標準に従った治療指針を心がけたいものです。

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プラケニル

今週水曜は硝子体茎離断術(裂孔原性網膜剥離)〜水晶体再建術
木曜はレーシックPTK・エキシマレーザー角膜混濁除去術。

金曜は水晶体再建術(二焦点を含む)〜眼瞼内反手術。
皆さん経過良好です!

本日はプラケニルの眼合併症について。
プラケニル(ヒドロキシクロロキンHCQ)は、全身性エリテマトーデ ス(SLE) ・皮膚エリテマトーデス(CLE)に対する世界標準的な治療薬です。米国では1955年に承認され、本邦では2015年7月にSLEとCLEに対する適応が承認されています。

抗マラリア薬として使用されたリン酸クロロキン(CQ)の薬害としてクロロキン網膜症があります。典型的なクロロキン網膜症では、黄斑部網膜が萎縮変性し、中心視力が不可逆的に低下してしまいます。CQより発現はまれであるものの、HCQ使用中の患者でも網膜症が一定の割合でみられます。
CQ同様、HCQによる毒性の発生機序はいまだ不明。HCQ累積投与量が200g以下であればほとんど心配ありませんが、200gを超えると網膜症発現率が数%になるとされます。

以上を踏まえ、本邦の眼科診療指針は下記の通り。
◆ プラケニル投与開始後は、少なくとも年1回の頻度で眼科定期検査を実施する。
◆ ハイリスク患者(本剤の累積投与量が200gを超えた患者・高齢者・肝機能障害または腎機能障害患者・視力障害のある患者・SLE 網膜症患者・投与後に眼科検査異常を発現した患者)では、患者の状態に応じて年1回よりも頻回に検査を実施する。

世界70か国以上で使用されているHCQ。米国から遅れること60年….遅すぎの感は否めませんが、日本の安全性に対する慎重さを表しているともいえるでしょう。
網膜症はHCQ投与開始より5〜7年を超えると発現率が高くなるとの報告もあります。本邦では承認されてからまだ1年半ですから、今後も長期的な経過観察が必要です。

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ミケルナ

今週木曜はレーシック
金曜は水晶体再建術(二焦点を含む)〜結膜嚢部分形成術(眼窩脂肪ヘルニア)。

皆さん術後経過良好です!
水曜はレーシックPTK・エキシマレーザー角膜混濁除去術。

木曜は水晶体再建術(二焦点を含む)〜結膜嚢部分形成術(眼窩脂肪ヘルニア)の予定。

昨日は診療後にミケルナ発売記念講演会に出席するため都内へ。

全国から620名余りの眼科医が招待されており、発売記念品・ホテル諸々、メーカー側の期待の高さが窺えました。

これまでにもPG関連薬(ラタノプロスト・タフルプロスト・トロボプロスト)とβ遮断薬(チモロール)の合剤はいくつかありますが、そのβ遮断薬はすべて「チモロール」でした。
ミケルナ配合点眼薬」はPG関連薬(ラタノプロスト)とβ遮断薬(カルテオロール)の合剤で、カルテオロールを用いた合剤(1日1回点眼)はこれがです。さらに防腐剤フリーであることは大きなメリットです。

短期的眼圧下降作用としては、一般的にカルテオロールはチモロールに劣ると考えられています。しかしチモロール長期投与において、徐々に眼圧が上昇してくる症例をしばしば経験します。そのような場合は他の薬剤に変更する必要性が出てきますが、ミケルナは変更薬剤の第1候補といえるでしょう。
また、チモロールの眼表面麻酔作用および防腐剤の影響にて角膜が傷つくことがありましたが、ミケルナではその懸念も払拭されました。
さらに、他のどのPG+β配合点眼薬よりも薬価が安い!
2剤を上手に配合したことにより防腐剤フリーとなり、様々な特許を取得できたとのこと。そのため、双方とも比較的歴史のある薬にもかかわらず、なんと今後15年以上は後発品が出ないそうです。

古くて新しいミケルナ配合点眼薬、おそらくかなりシェアをのばすものと考えます。

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